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*ツイッターで「あなたは次の投票でどこに投票するのですか?」という質問を受けた。次の文章を書いて回答しようとしたが、文章はたちまち増殖した。そのため結局文体と全体の構成を大幅に変えて、ここに掲示する。
ここ数十年間の私たちにふりかかった災厄の名は、一つの名前で言い表せる。それは自由主義と呼ばれる資本主義の悪辣な形態である。 この低迷した数十年において、特効薬とまでいかかないにしろ、有効な対抗策はあったのだろうか。もちろんあった。その一つは小選挙区制の導入を食い止めることだった。終戦直後から一貫して、右翼政党は、左翼勢力を封じ込め、また一票の価値を無に等しくするために、小選挙区制を導入しようとしてきた。だが、リクルート事件をきっかけに、あらゆるマスメディアは懐柔され、一九九三年にはついに小選挙区制が導入された。 もう一つの方策は、その後のものである。もちろん共産党か社民党に投票することだ。小選挙区制のもとで、極めて当選が困難になったとはいえ、比例区では議席を獲得することもできた。また、俗に「政権交代選挙」と呼ばれている、民主党が政権の座についた二〇〇四年選挙では、事前から民主党に左翼政党の票が集中し過ぎることがわかっていた。 言い換えるのならば、二〇〇四年の選挙は、実際には「二大政党制か否か」を最終的に決定するものだった。そして、残念なことに、多くの人々は、メディアによる国民戦線とも言える「政権交代」キャンペーンによって、煽られるままに民主党に投票した。 その結果がどうなったか、今の我々は知っている。民衆党の震災処理は国民の生命を無視するものであり、自民党は極右的な妄想に耽っている。それでは我々は、どこに投票すればいいのだろうか。 「反共」キャンペーンは通俗的なものから、陰謀めいたもの、週刊文春のように中立を装った悪質なもの、サブカルチャーを悪用したものまで、飽くことなく繰り返され、私たちの日常の中に浸透してきた。大人ならば驚くべきことでもない。昔からそうなのだ。肝心なのは、次の点を認識することだ。識者であれ既存のメディアであれ何であれ、彼らの一切は我々民衆の見方ではないのだ――よく見かけるという理由で「おなじみ」だとしても。 少しばかり、想像力を働かせてみよう……。 テレビのコメンテーターも、雑誌コラムの三文物書きも「どうやら平等と平和のためには、共産党か社民党に投票する以外に、選択肢がないようですね」などと、決して言ったりしない。 「自民党は、立憲主義すら無視した危険な国粋主義政党に成り下がりました。危ないですね」とも言わないし、「現在の民主党は岩波書店、山口二郎、それから小沢一郎が、むりやり二大政党制を導入しようとして失敗したなりの果てですね。彼らには責任を取ってほしいものです」とも言わない。 まして「共産党は、資本主義の枠組みでの改革を目指しているそうですね」なんてなおさら言わないだろう。 政党レベルの政治で、共産党・社民党以外への投票に意味があるのかは、極めて疑問である。なぜなら、この二党以外は、私たち民衆の全てに共通する敵――新自由主義――に対して、全く立ち向かうそぶりを見せていないどころか、味方するものであるからだ。 ここでは詳しく立ち入らないが、二〇世紀の後半に、左翼に悪しきイメージが付与されたことは否定できない。しかし今、私たち日本の民衆は、まさに新自由主義によって、階級的な理由によって、その他様々な理由によって、分断しているか、分断されようとしている。そして、これに対する方策を持っていると私に思われるのは、この二党だけである。 民衆は歴史を作ることができる。 だが、そのためには、まず慣習を踏み出さなければならない。 [おまけ」 *ツイッターの投稿を若干補って掲載 素朴な感想ですが、ヨーロッパには「資本主義はより幸福な暮らしのための手段」という考え方が根本あると思うのですね。祭日には店舗を閉める法律があったり、ところが資本主義を誤解した日本人は、「暮らし」より「資本主義の維持」を第一に置いているのです。日本は過剰に資本主義化した国だと思います。 欧米ではリーマンショックを機にマルクスが見直されています。その他の場所でも同様です。それに「共産主義の崩壊」後にアメリカは、イラクを侵略しましたね。「歴史の終わり」は嘘だったのです。しかし、世界の潮流とは孤立し、日本では反資本主義の気運が盛り上がりません。生活が益々困窮化しているのにも関わらずです。 自民党は戦後民衆に暮らしていけるだけのものを与えたかもしれないが、民主主義社会として暮らしていけるだけの市民社会的基盤はかけらもあたえなかった。それが今私たちが抱えている困難ではないだろうか。 参照リンク:
by BeneVerba
| 2012-05-31 15:38
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