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テレビニュースも取り上げ始めた首都圏反原発連合による官邸前抗議は、「日の丸は許容、団体旗は禁止、『従軍慰安婦」否定の極右も許容」という方針をとっている。それが生み出した空間は、予想通りにも「国民国家」の再生であった。むろん、日の丸を掲げ、「従軍慰安婦」否定の歴史修正主義者を呼び、それらに反対する人を排除した結果である。
以前から私は、こうした方向性を懸念していた。ツイッターで今年二月に、「原発運動の中の国民主義みたいなものが気になる。『想像の共同体』としての国民国家を、再想像することで、脱原発を目指しているように見える」と書いた。そして、後に首都圏反原発連合の主催者の一人となる人物に罵倒された。こうした方向性が現在全面化したものが、官邸前抗議である。 首都圏反原発連合の公式アカウントは、日の丸容認の理由を問われて、「『特定の政治団体や政治的テーマに関する旗やのぼり、プラカード等』とみなしていないから」と返答した。恐るべき答えである。日の丸が日本の帝国主義を象徴する旗であるというだけでない。 それが、日の丸を認めない外国人と日本人を抑圧するものだからであり、こうした姿勢は日の丸の持つ歴史性を無視するものだからであり、そしてなによりも、あらゆるイデオロギーの頂点にあるイデオロギーとして、日の丸を不可侵の立場に置くものだからだ。それに名前を付けるとしたら、私には「ファシズム」以外の名称が思い浮かばない。 首都圏反原発連合のやり方には、私だけでなく、他の脱原発を願う人々も問題視している。この運動はマジョリティによるマジョリティのための運動である。「右も左もない」は、マジョリティ同士のなれ合いである。原発は差別と抑圧の基に成り立っていた。それを首都圏反原発連合が繰り返している。それは、そうした構造の再生産に他ならない。 脱原発のためといいながら、こうした矛盾に荷担するよう仕向けているのは、首都圏反原発連合である。 *「日の丸こそが相応しい」と題された官邸前デモについてのTogetterも参照のこと。
by BeneVerba
| 2012-07-15 14:36
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