翻訳:ロザンヌ・バー - 新しい資本主義
新しい資本主義
I Want A New Capitalism
2011年09月19日 - ロザンヌ・バー
原文:
http://feministing.com/2011/09/21/rosanne-barr-speaks-at-occupy-wall-street-protest/
http://www.youtube.com/watch?v=ZyoRcEF6ox8





 私がほしいのは新しい資本主義です。戦争によって経済を活性化するのではない資本主義です。生み出された富をほんの一握りの白人の手に握らせて、それを「自由貿易だ」などと呼ぶことのない資本主義です。お年よりが実際に退職金の支払いを受けられる資本主義です。私たちはそうした資本主義を得ることでしょう、そうすれば社会主義もまた得ることになるのです。教育、基本的な憐れみの感情、ヘルスケアもです。私が言っているのは辛い仕事と野心とが報われ、か弱い子どもたちに思いやりを持って接することのできる体制のことです。フェミナチと呼ばれる人々は、こうしたことを指して反逆罪だと言いつのることでしょう。

 私たちは資本主義と社会主義を組み合わせ、様々な理想が手を携えて実際に機能する体制、民衆主義(peopleism)とでも呼ばれるべき体制を築くのです。増長したでぶっちょのラジオ番組の司会者たちが、飢えた人々に暮らしを切り詰めるように説くからといって、もしくは、あの忌々しいアイン・ランドの本があるからといって、たった一つの頑固なイデオロギーへとむやみにしがみつく人はいないでしょう。私たちは実際に折衷的であり、順応的であり、合理的な判断を下すでしょう。私たちは、良識に基づいた解決策を生み出すことでしょう。

 ここにいるあなたたちのことを嬉しく思います。これほど多くの私たちが、私たちを制御するプログラムを実際に破壊したことに、まさに今わくわくしています。長年に渡って私たちがその中に住んでいた、私たちの精神をコントロールするプログラムです。あなたたちに敬意を表します。あなたたちが自由に志向していることに対して、敬意を表します。

 (抗議者のサインを読みながら)「腐敗せる者は我らを恐怖し、誠実なる者は我らを支持し、勇敢なる者は我らに参加する」。あなたの仮面気に入ったわ。あなたたちみんなのことが気に入った。

 私たちはみな自由を愛しています。素晴らしい作家であり、素晴らしい女性であるメアリー・ダリーの言葉を引用したいと思います。彼女は私のアイドルなのです。「真実のない自由というものはない」。

 私たちが何をしなければならないのかを、述べたいと思います。私たちは小さなエゴを集めて、大きなエゴを形作らねばなりません。それが六〇年代頃に最初に左派がしたことです。私はその時代に、みんなが結束と団結のために、小さなエゴを慎むようにしていたのを見ていました。それこそが私たちがしなければならないことです。エゴを脇に置くのです。「新しく自分のウェブサイトを作ったんだ」なんて言わないでください。既にウェブサイトを運用して仕事をなしている人々を探し出して、その仕事に参加し、自発的に活動するのです。

 それが私たちのしていることです。私たちには味方としてチームスターがいます。後はあらゆる支店とあらゆる道路を封鎖するのです。それは困難な仕事です。どうすれば成し遂げることができるのでしょうか?単にそこまで歩いて行って、そうするまでです。彼らの退職金を盗んでいる人々に反対している警察官たちもまた、私たちの味方です。私たちは警察だけでなく、軍隊に対しても団結を求めていくことでしょう。

 最初に集まったあなたたちのような人々は、そう、あなたたちのことです、どうしようもなく行き詰まっている。つまり、私たちはみなどうしようもなく行き詰まっているということです。アメリカで年収が二五万ドル以下の人間はみなどうしようもなく行き詰まっているし、強制労働に送られるか、無給で働くしかない。

 そして、そここそがこれから向かう先なのです。それを止めることはできません。あなたたちがしなければならないことが何であるにせよ、また、それが困難に見えようとも、私たちにはそれがわかっています。それが容易なら、やる価値はないのです。私にはあなたたちの声が聞こえているし、あなたたちには私の声が聞こえている。そして、私はそのことを知っているということを、知っておいてほしいのです。それほど間もないうちに、人々は五〇〇人ほどになるでしょう。二者択一などないでしょう。なぜなら、そここそが向かっている先だからです。

 他に選択肢はないのです。より多くの人々が権利を剥奪された状態にあります。私たちは既に、途方もない数によって勝利を収めています。私たちは、警察や軍隊にいる人々に参加を呼びかけています。なぜなら私たちは同じ敵に抗する同じ側の人間だからです。同じ状況に立たされた同じ人々なのです。そのことをよく考えてみましょう。

 何か他に付け加えることはありますか?



訳者コメント:
 女優でコメディアンのロザンヌ・バーが、「ウォール街を占拠せよ」で、昨年9月19日(つまり占拠開始の二日後)に行ったスピーチ。ロザンヌ・バーはエイミー賞とゴールデングローブ賞両賞の受賞者。

 原文として提示した動画と書き起こしを参照したが、書き起こしはやや不正確であり、彼女の語彙は口語的でくだけたものだ。そのためもあって(あるいはそれにかこつけて)、意訳した部分が多い。なお、動画には一箇所だが乱れる部分がある。読者からの誤訳等の指摘を歓迎したい。

 それにしても、この継続中の運動は可能性に充ちている。

by BeneVerba | 2012-07-17 04:49 | 翻訳