未分類:自説 - 無題
 昨年のおおよそ11月から続いている抑うつ状態は、非常に緩慢な曲線を描きながらも、好転している。数ヵ月をかけてほんの少しだけ向上しているといった具合だ。

 私にとっては、良い知らせと悪い知らせがある。悪い知らせは、これが十数年ぶりに体験するような重い症状だということ。良い知らせは、恢復する時の感覚を過去の体験から知っていること。

 私は十代の早くから、既に自分の人生を諦めていた。症状は劇的に重く、自分が死ぬまでそれが続くように思われた。文字通りの地獄の中にいて、出口はなかった。死ぬことは一つの終わりかもしれないが、地獄には終わりがなかった。

 だが、私が自分の人生を捨て去ったその後で、何があってもこれだけは起きない、と思っていたことが起きた。おそらくはいくつかの好条件が重なったせいで、私は、非常に幼かった頃を除いて、生まれて初めて生きることに喜びを感じるようになった。

 恢復時には、言葉にしづらい予兆のようなものが訪れる。と云っても神秘的なものではない。単にある種の体験は言語化できないというだけだ。今はまだ充分に恢復したとは言えないが、その時の感覚は未だに覚えている。それは助けとなることができる。
 
 それは、ひとつには、明確にすることができない謎めいたサイン、もしくはシンボルのようなものだ。そういったものは、つかまえようと思っても逃げていく。だが、確かにある方向を指し示している。

 まだ出会っていない困難も多いのだろうが、おそらくは、聞こえないものを聞こうと努めるように、見えないものを見ようと努めるように、それに従って歩いていくべきなのだろう。絶望することを諦めるように。

 ……もっと散漫な脈絡のない文章を、いったん書いた後で読み返すことのないメモのようなものを書きたかったのだが、あまり成功していないようだ。

by BeneVerba | 2016-05-16 17:26 | 未分類