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以下が、福岡の在特会とその自称「カウンター」である。どちらも日の丸を掲げていて見分けがつかない。いったいどうしろというのか、というのが一人の在日朝鮮人としての気持ちである。言うまでもなく、日の丸は日本の朝鮮侵略のシンボルのような旗である。日の丸を掲げて「カウンター」を行うということは、在特会には反対するが、日本の侵略責任については不問にしたい、という態度を表明していると受け取られても仕方がない。「線引き」を行っていると言ってもいい。
カウンター参加者の一人は、たぶん大月書店とのトラブルの元になった入江亮であろう。 入江について何から語ったものやら。私がTwitterで反原発運動の日の丸批判をしていた時に、日の丸肯定派としてしつこくからんできたのが入江亮である。私は誠実に対応していたのだが、彼はこちらの主張を聞かず幾度も同じことを繰り返すのみであったので、私は「なめるな」と言い返した。他に場強い言葉を使ったわけでもなく、マイノリティとしての最低限の反撃である。 すると大月書店の岩下結編集者が「汚い言葉」であるとしてそれを問題にし始めた。岩下編集者とは、ほとんどメールでやりとりしていたのだが、彼は私に突っかかってくるようになり、このようなことがあってはならない、というメールを送ってきた。私は不本意ながら受け入れるしかなかった。 しかし、侵略者の末裔である日本人が日の丸を拒否している朝鮮人に、日の丸は問題ないとして、しつこく絡む方がよほど暴力ではないだろうか。日本人が日の丸をやめる方がよほど簡単でもあり、理にかなったことではないだろうか。また、在日朝鮮人に日の丸を受け入れることをすすめる「左翼出版社」とは、いったい何であろうか。岩下にはそんなことにすら、思いをはせることができなかったようである。 そして、その後のある日、集会に向かうためにある時九電本店前を歩いて通りかかると、入江亮がその場で日の丸を掲げているのに出くわした。この時には直接言葉を交わした。私「それはなんですか」入江「日の丸です」「九電を応援しているようにしか見えません。やめてください」。すると入江は突然態度を変え、「なんやコラ、きさん!」などと、チンピラ口調になって私を罵倒し始めた。 また昨今、ちまたを賑わしている自称「カウンター」勢のリンチ事件を受けて、入江亮はこんなことを言っている。 写真見ましたが、エル金さん、ようあそこまで我慢しんしゃったですね。俺が同じ立場だったら、我慢できずに殺してますね。 日の丸を拒絶する在日朝鮮人にしつこく絡み、反原発運動にも「カウンター」にも日の丸を持って現れ、注意されると逆上する。これのどこが反原発運動だろうか。これのどこが反差別運動なのだろうか。大月書店は、この程度の低劣な人物を気づかって、私よりもこの男を選んだのだ。 また、今や「なめるな」という言葉が、問題視されなくなった現状がある。だからこの言葉に問題がないというのではない。これはマジョリティから発せられる言葉であり、その点で大いに問題がある。しかし、岩下が「なめるな」という言葉を批判しているという話は聞かない。 そして、マイノリティが追い詰められて発する「なめるな」という言葉と、「マジョリティ」が発する「なめるな」では、自ずと意味が違うはずだ。大月書店とその編集者の岩下結の言動は、ご都合主義であり、不当ではないだろうか。 二〇一三年以来のカウンターは、おおよそこういうものだった。「在特会と対峙するのに、細かいことを考える必要はない。在日朝鮮人の歴史や社会的な構造的差別を考える必要はない。ただ、在特会と対峙して罵倒すれば良い」。それに対しては様々な批判が寄せられたが、「新しいカウンター」のデマゴーグである野間易通や木野トシキは、「ヘサヨ」というレッテルを貼るのみであった。 「在日朝鮮人の歴史や社会的な構造的差別を考える必要はない」とは、つまり「未来志向」「和解」「転向」の時代に沿うように、日本人の持つ歴史的な加害責任をオミットするものではないだろうか?在日朝鮮人は日本の帝国主義によって生まれた存在である。そこに自ずから日本の責任というものがあるはずだ。 果たしてそれで良いのだろうか?この間の「カウンター」は、そうしたものをオミットしたところに成り立つ「反差別運動」という新たな「発明品」を、産み出したのではないだろうか?この問題はよくよく考えてみなければならない深刻な問題であろう。
by BeneVerba
| 2016-06-13 02:15
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