2012年 07月 17日 ( 3 )

 このブログで翻訳を公開しているナオミ・クラインの長文論説「〈資本主義〉対〈気候変動〉」を元に、PDFファイルを作成し、Scribdで公開(なんと表紙付き)。以前にもこのエントリでPDF化したものを公開していたが、今回より方針を変更し、ダウンロード可能な設定にした。

 初めてのこともあり、通常の誤訳などの指摘の他、ファイル作成上のミス、Scribdの設定ミスなどあれば、ぜひお知らせ頂きたい。
http://www.scribd.com/doc/100307260/

*このエントリは今回のPDFの公開に当たって全面的に書き換えた。

by BeneVerba | 2012-07-17 22:12 | PDF | Trackback | Comments(0)
全てのマイノリティは新しいマジョリティである
The All Minority Are The New Majority
2011年10月30日 - アンジェラ・デイヴィス
原文:
http://pastebin.com/9sEVQv2K
http://www.youtube.com/watch?v=HlvfPizooII


 この午後に、あなた方の中に加わるのは本当に名誉なことです。なぜなら、あなた方は私たちの政治的な世界を再発明したのですから。あなた方は、私たちの集団的な情熱を新たにしました。あなた方は、抵抗の共同体を築くことは未だ可能だと私たちに思い起こさせてくれました。あなた方は、私たちに、その参与、献身、協働の姿勢を示し続けています。階級的ヒエラルキー、人種的ヒエラルキー、ジェンダー・ヒエラルキー、セクシャル・ヒエラルキーを容認することを拒否するあなた方の姿勢を。

 あなた方の運動は、マイノリティに対して立ち上がることを、マジョリティに呼びかけるものです。あらゆるマイノリティは、今や新たなマジョリティとなったのです。

 そうして、私たちはウォール街に対して「ノー」と言うのです。大銀行に対して「ノー」と言うのです。年に数百万ドルも稼ぐ大企業の経営陣に対して「ノー」と言うのです。学生の抱える負債に対して「ノー」と言うのです。強制排除に対して「ノー」と言うのです。警察の振るう暴力に対して「ノー」と言うのです。グローバルな資本主義に対して「ノー」と言うのです。刑務所産業複合体に対して「ノー」と言うのです。レイシズムに対して、階級的搾取に対して、ホモフォビアに対して、ゼノフォビアに対して、トランスフォビアに対して、身体障碍者への差別に対して、環境汚染に対して「ノー」と言うのです。そして、私たちは、軍隊の占拠に対して「ノー」と言うのです。戦争に対して「ノー」と言うのです。

 私たちは「九九%」として団結しています。この場所に共同体として集うという決断をしたことに関して、あなた方には重大な責任があります。いったいどうすれば、私たちはともに結びつくことができるのでしょうか?どうすれば私たちは、過度に単純化されたものでなく、抑圧的なものでもない統一の中で結びつくことができるのでしょう?どうすれば私たちは、複雑でありながら、解放するような統一において、結びつくことができるのでしょうか?

 ここでアフリカ系のフェミニスト、オードリー・ロードの言葉を喚起したいと思います。「ことなりは単に容認されるべきものではなく、私たちの創造性が誘電体のように火花を散らすために必要な、極性の元となるものとして見なされなくてはならない」。

 このような複雑な統一の中において、私たちは、人生に対して「イエス」と言うのです。幸福に対して「イエス」と言うのです。共同体に対して「イエス」と言うのです。教育に対して、教育の無償化に対して「イエス」と言うのです。経済的な、人種的な、ジェンダー的な、セクシャルな平等に対して、「イエス」と言うのです。そして、私たちは想像力に対して「イエス」と言うのです。創造性に対して「イエス」と言うのです。希望に対して、未来に対して「イエス」と言うのです。

 最後に、私の故郷であるカリフォルニア州オークランドについて、少し述べたいと思います。「オークランドを占拠せよ」での警察の襲撃については、ご存知ですね。スコット・オルセンはまだ病院にいます。オークランドのジェネラル・アセンブリーは、改名されたオスカー・グラント広場で集会を開き、警察の襲撃に応答すべく、一一月二日のゼネストを呼びかけました。ゼネストは革命的なことです。

 オークランドの抗議者たちの言葉を、あなた方と分かち合いたいと思います。「オークランドを非植民地化せよ」「我々は九九%だ」「我らは団結し立ち向かう」「二〇一一年一一月二日」「ゼネスト」「労働を拒否せよ」「学校を拒否せよ」「あらゆる場所を占拠せよ」。


 どうもありがとうございました。



訳者コメント:
 アンジェラ・デイヴィスが、昨年10月30日にワシントン・スクエア公園で行った講演の前半部分。時間的な問題と分量の問題から、質疑応答は省いてまずスピーチ部分だけをアップロードすることにした。後半の質疑応答部分は、明日以降に投稿する予定(あくまでも予定)。

 アンジェラ・デイヴィスについて、私は偉そうに語れる者ではないのだが、アメリカ共産党とブラック・バンサー党の両者に深く参与した彼女は、傍らに置くことが許されない、多様な方向性を指し示す現代アメリカ史の一つのイコンであるように思われる。

 例によって、書き起こしと動画の両方を参照しつつ、より正しいと思われる語句を選んで訳していった。不明瞭な点は思い切って意訳した。こうした問題について、読者からの指摘があれば幸いである。なお、このスピーチで「フェミニスト」と呼ばれているオードリー・ロード(Audre Lorde)は、ニューヨーク生まれの詩人、作家、アクティヴィストで『Zami: A New Spelling of My Name』などの著作がある。

7/18の変更点:
 「a unity that is complex, and emancipatory」の部分を訳し忘れていたので追加。その他この翻訳を元に日本語字幕付き動画を作成する際に気になった箇所を二、三修正。

by BeneVerba | 2012-07-17 15:16 | 翻訳 | Trackback | Comments(0)
新しい資本主義
I Want A New Capitalism
2011年09月19日 - ロザンヌ・バー
原文:
http://feministing.com/2011/09/21/rosanne-barr-speaks-at-occupy-wall-street-protest/
http://www.youtube.com/watch?v=ZyoRcEF6ox8





 私がほしいのは新しい資本主義です。戦争によって経済を活性化するのではない資本主義です。生み出された富をほんの一握りの白人の手に握らせて、それを「自由貿易だ」などと呼ぶことのない資本主義です。お年よりが実際に退職金の支払いを受けられる資本主義です。私たちはそうした資本主義を得ることでしょう、そうすれば社会主義もまた得ることになるのです。教育、基本的な憐れみの感情、ヘルスケアもです。私が言っているのは辛い仕事と野心とが報われ、か弱い子どもたちに思いやりを持って接することのできる体制のことです。フェミナチと呼ばれる人々は、こうしたことを指して反逆罪だと言いつのることでしょう。

 私たちは資本主義と社会主義を組み合わせ、様々な理想が手を携えて実際に機能する体制、民衆主義(peopleism)とでも呼ばれるべき体制を築くのです。増長したでぶっちょのラジオ番組の司会者たちが、飢えた人々に暮らしを切り詰めるように説くからといって、もしくは、あの忌々しいアイン・ランドの本があるからといって、たった一つの頑固なイデオロギーへとむやみにしがみつく人はいないでしょう。私たちは実際に折衷的であり、順応的であり、合理的な判断を下すでしょう。私たちは、良識に基づいた解決策を生み出すことでしょう。

 ここにいるあなたたちのことを嬉しく思います。これほど多くの私たちが、私たちを制御するプログラムを実際に破壊したことに、まさに今わくわくしています。長年に渡って私たちがその中に住んでいた、私たちの精神をコントロールするプログラムです。あなたたちに敬意を表します。あなたたちが自由に志向していることに対して、敬意を表します。

 (抗議者のサインを読みながら)「腐敗せる者は我らを恐怖し、誠実なる者は我らを支持し、勇敢なる者は我らに参加する」。あなたの仮面気に入ったわ。あなたたちみんなのことが気に入った。

 私たちはみな自由を愛しています。素晴らしい作家であり、素晴らしい女性であるメアリー・ダリーの言葉を引用したいと思います。彼女は私のアイドルなのです。「真実のない自由というものはない」。

 私たちが何をしなければならないのかを、述べたいと思います。私たちは小さなエゴを集めて、大きなエゴを形作らねばなりません。それが六〇年代頃に最初に左派がしたことです。私はその時代に、みんなが結束と団結のために、小さなエゴを慎むようにしていたのを見ていました。それこそが私たちがしなければならないことです。エゴを脇に置くのです。「新しく自分のウェブサイトを作ったんだ」なんて言わないでください。既にウェブサイトを運用して仕事をなしている人々を探し出して、その仕事に参加し、自発的に活動するのです。

 それが私たちのしていることです。私たちには味方としてチームスターがいます。後はあらゆる支店とあらゆる道路を封鎖するのです。それは困難な仕事です。どうすれば成し遂げることができるのでしょうか?単にそこまで歩いて行って、そうするまでです。彼らの退職金を盗んでいる人々に反対している警察官たちもまた、私たちの味方です。私たちは警察だけでなく、軍隊に対しても団結を求めていくことでしょう。

 最初に集まったあなたたちのような人々は、そう、あなたたちのことです、どうしようもなく行き詰まっている。つまり、私たちはみなどうしようもなく行き詰まっているということです。アメリカで年収が二五万ドル以下の人間はみなどうしようもなく行き詰まっているし、強制労働に送られるか、無給で働くしかない。

 そして、そここそがこれから向かう先なのです。それを止めることはできません。あなたたちがしなければならないことが何であるにせよ、また、それが困難に見えようとも、私たちにはそれがわかっています。それが容易なら、やる価値はないのです。私にはあなたたちの声が聞こえているし、あなたたちには私の声が聞こえている。そして、私はそのことを知っているということを、知っておいてほしいのです。それほど間もないうちに、人々は五〇〇人ほどになるでしょう。二者択一などないでしょう。なぜなら、そここそが向かっている先だからです。

 他に選択肢はないのです。より多くの人々が権利を剥奪された状態にあります。私たちは既に、途方もない数によって勝利を収めています。私たちは、警察や軍隊にいる人々に参加を呼びかけています。なぜなら私たちは同じ敵に抗する同じ側の人間だからです。同じ状況に立たされた同じ人々なのです。そのことをよく考えてみましょう。

 何か他に付け加えることはありますか?



訳者コメント:
 女優でコメディアンのロザンヌ・バーが、「ウォール街を占拠せよ」で、昨年9月19日(つまり占拠開始の二日後)に行ったスピーチ。ロザンヌ・バーはエイミー賞とゴールデングローブ賞両賞の受賞者。

 原文として提示した動画と書き起こしを参照したが、書き起こしはやや不正確であり、彼女の語彙は口語的でくだけたものだ。そのためもあって(あるいはそれにかこつけて)、意訳した部分が多い。なお、動画には一箇所だが乱れる部分がある。読者からの誤訳等の指摘を歓迎したい。

 それにしても、この継続中の運動は可能性に充ちている。

by BeneVerba | 2012-07-17 04:49 | 翻訳 | Trackback | Comments(1)