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私たちはみな占拠者だ
We are all Occupiers
2011年11月16日 - アルンダティ・ロイ
原文:http://www.youtube.com/watch?v=2je_195fPGc





 マイク・チェック。ジャドソン教会とここにいる全ての人に感謝します。

 昨日の早朝、ニューヨーク市警がズコッティ公園を一掃しました。しかし、今日人々は戻って来ています。警察は知っておくべきだったのです。この抗議運動はなわばり争いではないことを。私たちはあちこちで公園を占拠する権利のために闘っているのではありません。私たちは正義のために闘っているのです。アメリカの人々のためだけの正義ではなく、全ての人々のための正義なのです。

 9月17日以来、あなたたちが達成したものは、その日にアメリカで、「占拠せよ」運動が始まってから、新しいイマジネーションと新しい政治的言語を、帝国の心臓部へ導入したことです。あなたたちは再導入したのです、夢を見る権利を。みんなをゾンビへと変えてしまう体制に。心のない大量消費と幸福や充実を、同じものだと見なしてしまう催眠術にかかったゾンビへと。

 作家としてあなたたちに言わせてください。これは計り知れない程の達成です。いくら感謝しても充分ではない程です。

 私たちは正義について語っています。今日、私たちが話題にしているように、アメリカ軍は、イラクとアフガニスタンで占領戦争を遂行しています。アメリカのドローンは、その後もパキスタンの市民を殺害し続けています。数万のアメリカ軍部隊と暗殺部隊が、アフリカへと進みつつあります。もしあなたたちのお金である数兆のドルを費やしても、イラクとアフガニスタンでの占領を遂行するのに充分ではないということになれば、イランに対する戦争が声高に唱えられるようになるでしょう。

 大恐慌の時代以来ずっと、兵器の製造と戦争の輸出が、アメリカの政策の鍵であり続けています。景気を刺激するための。つい最近も、オバマ政権下において、アメリカは取引をしました。サウジアラビアと600億ドルの兵器を。イスラム教徒の権利を殺すものです。そして、アラブ首長国連邦に数千のバンカー・バスターを売りたがっています。既に50億ドル分の軍用機を私の国に売っています。インドに。そこには最も貧しいアフリカの国々を集めたよりも、更に多くの貧しい人々がいるのです。これらの戦争、広島と長崎への原爆投下から、ヴェトナム戦争、朝鮮戦争、ラテン・アメリカに至るまでの戦争において、数百万の人名が奪われました。それらの全ては、「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」を守るために戦われたものでした。

 今日私たちが知るように、その「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」は、つまり、世界の残りがそれを熱望し求めるよう定められているモデルは、結果として、400人の人たちを生み出しました。その人たちが、アメリカの人口の半分の富を持っています。それは数千の人々が彼らの家と職から追われる一方で、アメリカ政府は銀行と大企業を救済するという事態を引き起こしました。アメリカンインターナショナルグループ(AIG)は、単独で、1千820億ドルを受け取っているのです。

 インド政府はアメリカの経済政策を崇拝しています。20年間の自由市場経済の結果として、今日では100人のインドで最も裕福な人たちが、GDPの4分の1にあたる資産を所有しています。その一方で、80%以上の人々が一日50セント以下で暮らしているのです。そして25万人の農民たちが、死への連鎖に追い込まれて、自殺しました。私たちはこれを進歩と呼び、今や自らを超大国だと考えているのです。あなた方のように、我々は完全な資格を得たのだ。我々には核兵器があり、おぞましい不平等もあるのだと。

 良い知らせは、人々がもう沢山だと感じており、これ以上我慢するのを止めようとしていることです。「占拠せよ」運動は、他の数千の抵抗運動へと加わったのです。世界中で行われている、最も貧しい人々が立ち上がり、最も豊かな企業をすぐにも止めようとしている抵抗運動へと。

 私たちの中のほんのわずかな人たちだけが、夢見ていました。あなたたちが現れ、私たちの味方につくアメリカの人々が現れ、このようなことを帝国の心臓部でやるだろうと。

 なんと伝えたらいいのか私にはわかりません。このことが意味する途方もなさを。

 彼ら1%の富裕層は、私たちには要求がないと言っています。彼らはおそらく知らないのでしょう。私たちの憤りだけで、彼らを殺すのに充分であることを。しかし、ここにいくつかのことがあります。私がかつて「革命前」に考えていたことです。私たちで一緒に考えたいのです。

 私たちは、不平等を製造するこの体制に終止符を打ちたいのです。私たちは、限りなき富と資産の蓄積に休止符を入れたいのです。個人によるものであれ企業によるものであれ。終止家として、そして休止派として、私たちは次のことを要求します。

 1つめ。実業界のクロスオーナーシップ制度を終わらせること。例えば、兵器製造業者はテレビ局を所有してはならない。鉱業会社は新聞を運営してはならない。商社は大学に資金を提供してはならない。製薬会社は公共の保健の財源を管理してはならない。

 2つめ。天然資源と重要なインフラストラクチャー、水道、電気、保健、教育などです。それらは民営化してはならない。

 3つめ。全ての人が、避難する権利、教育を受ける権利、医療を受ける権利を持たなくてはならない。

 4つめ。富裕層の子どもは親の資産を相続してはならない。

 この闘いは、再度私たちのイマジネーションを目覚めさせました。その道のどこかで、資本主義は正義のイデアが意味するものを、単なる「人権」にまで貶めたのです。そして、平等を理想とするイデアは冒涜的なものとなったのです。私たちは、闘っているのではありません。置き換えることが必要な体制をなんとか改革しようとして。

 終止家として、そして休止派として、あなたたちの闘いに敬意を表します。

 サラーム、そしてジンダバード。
 


by BeneVerba | 2011-11-23 08:18 | 動画 | Trackback | Comments(0)
私たちはみな占拠者だ
We are all Occupiers
2011年11月16日 - アルンダティ・ロイ
原文:http://www.guardian.co.uk/commentisfree/cifamerica/2011/nov/17/we-are-all-occupiers-arundhati-roy





 火曜日の早朝、ニューヨーク市警がズコッティ公園を一掃しました。しかし、今日人々は戻って来ています。警察はこの闘いがなわばり争いではないことを知っておくべきだったのです。私たちはあちこちで公園を占拠する権利のために闘っているのではありません。私たちは正義のために闘っているのです。それは、アメリカの人々のためだけの正義ではなく、全ての人々のための正義なのです。

 9月17日にアメリカで「占拠せよ」運動が始まって以来、あなたたちが達成したのは、新しいイマジネーションと新しい政治的言語を、帝国の中心へと導入したことです。心のない大量消費と幸福や達成を同じものだと見なしてしまう催眠術にかかったゾンビへと、みんなを変えてしまう体制に、あなたたちは夢を見る権利を再導入したのです。

 作家としてあなたたちに言わせてください。これは途方もない達成です。いくら感謝しても充分ではないほどです。

 私たちは正義について語っています。今、私たちが話題にしているように、アメリカ軍はイラクとアフガニスタンで占領戦争を遂行しています。アメリカのドローンは、その後もパキスタンの市民を殺害し続けています。数万のアメリカ軍部隊と暗殺部隊が、アフリカへと進みつつあります。もしあなたたちのお金である数兆のドルを費やしても、イラクとアフガニスタンでの占領を運営するのに充分ではないのなら、イランに対する戦争が声高に唱えられるようになるでしょう。

 大恐慌の時代以来ずっと、兵器の製造と戦争の輸出が、アメリカの景気刺激策の鍵であり続けています。つい最近も、オバマ政権下で、アメリカはサウジアラビアと600億ドルの兵器の取引をしました。そしてアラブ首長国連邦に数千のバンカー・バスターを売りたいと思っています。既に50億ドル分の軍用機を私の国インドに売っています。最も貧しいアフリカの国々を集めたよりも、更に多くの貧しい人々がいる私の国インドにです。これらの戦争――広島と長崎への原爆投下から、ヴェトナム戦争、朝鮮戦争、ラテン・アメリカに至るまでの――において、数百万の人名が奪われました。それらの全ては、「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」を守るために戦われたものでした。

 今日私たちが知るように、「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」――世界の残りがそれを熱望し求めるよう定められているモデル――は、アメリカの人口の半分の富を持つ400人の人たちを生み出す結果となりました。それは数千の人々が家や職から追われる一方で、アメリカ政府が銀行と大企業を救済するという事態を引き起こしました。アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)単独で、1千820億ドルを受け取っているのです。

 インド政府はアメリカの経済政策を崇拝しています。20年間の自由市場経済の結果として、今日では100人のインドで最も裕福な人たちが、GDP(国内総生産)の4分の1にあたる資産を所有しています。その一方で、80%以上の人々が一日50セント以下で暮らしているのです。そして25万人の農民たちが、死への連鎖に追い込まれて、自殺しました。私たちはこれを進歩と呼び、今や自らを超大国だと考えているのです。「アメリカのように、我々は完全な資格を得たのだ。我々には核兵器があり、おぞましい不平等もあるのだ」と。

 良い知らせは、人々がもう沢山だと感じており、これ以上我慢するのを止めようとしていることです。「占拠せよ」運動は、最も貧しい人々が立ち上がり最も豊かな企業をすぐにも止めようとしている、世界中の数千の抵抗運動へと加わったのです。私たちの中で、あなたたち――私たちの味方につくアメリカの人々――が現れ、このようなことを帝国の中心でやるだろうと夢見ていた人は、ほとんどいませんでした。この出来事が意味する途方もなさを、なんと伝えたらいいのか私にはわかりません。

 彼ら1%の富裕層は、「奴らには要求がない」と言っています。彼らはおそらく、私たちの憤りだけで彼らを殺すのに充分であることを知らないのでしょう。しかし、ここに私たちで一緒に考えたい幾つかのことがあります。私がかつて「革命前」に考えていたことです。

 私たちは、不平等を製造するこの体制に終止符を打ちたいのです。私たちは、個人または企業による限りなき富と資産の蓄積に休止符を入れたいのです。終止家として、そして休止派として、私たちは次のことを要求します。

  • 実業界におけるクロスオーナーシップ制度を終わらせること。例えば、兵器製造業者はテレビ局を所有してはならない。鉱業会社は新聞を運営してはならない。商社は大学に資金を供給してはならない。製薬会社は公共保健の財源を管理してはならない。

  • 天然資源と重要なインフラストラクチャー――水道、電気、保健、教育など――は民営化してはならない。

  • 全ての人が、避難する権利、教育を受ける権利、医療を受ける権利を持たなくてはならない。

  • 富裕層の子どもは親の資産を相続してはならない。


 この闘いは、再度私たちのイマジネーションを目覚めさせました。道のどこかで、資本主義は正義のイデアが意味するものを、単なる「人権」にまで貶めたのです。そして、平等を理想とするイデアは冒涜的なものとなったのです。私たちは、置き換えることが必要な体制をなんとか改革しようとして闘っているのではありません。

 終止家として、そして休止派として、あなたたちの闘いに敬意を表します。

 サラーム、そしてジンダバード。


*これは2011年11月16日に、ワシントン・スクエアの人民大学で、著者から渡された演説原稿である。



訳者コメント:
 時間がない中大急ぎで訳したもの。本文中にあるように、実際の演説とは若干ながら異なる部分があり、またエントリ中で掲載した動画ではスピーチの後に質疑応答が続いている。これは原文として提示した記事の翻訳と考えてほしい。

 「終止符主義者として、そして休止符派として(As "cap-ists" and "lid-ites")」という部分は、英語の言い回しを利用した造語である。あるろくでなしのフランス人が別なろくでなしのアメリカ人の作品を訳している時に言ったように、こういう言語に基づいた言葉遣いを翻訳するのは不可能だ。日本語訳は苦肉の策である。

 内容についてはコメントを控えて皆さんにお任せしたい。様々なものが読みとれるはずだ。だが、いくら時間が無くとも長崎と広島の原爆投下や朝鮮戦争に触れているスピーチを訳さないわけにはいかなかった。

 これまで常にそうであったように、誤訳や誤字脱字などの指摘を歓迎する。また時間をおいての再チェックを行うこともお約束する。だが、それにお応えできるのはおそらくは数日後となるだろう。

11/23の更新
 再チェックを行い若干の語句を修正。「cap-ists」と「lid-ites」という造語をそれぞれ「終止家」「休止派」としてみた。これらは「capitalist(資本家)」と「Luddite(ラッダイト)」を連想させるのだと思う。

by BeneVerba | 2011-11-18 06:24 | 翻訳 | Trackback | Comments(0)
一%の最富裕層アメリカ人について知っておくべき五つの事実
How Unequal We Are: The Top 5 Facts You Should Know About The Wealthiest One Percent Of Americans
2011年10月03日 - シンクプログレス
原文:http://thinkprogress.org/economy/2011/10/03/334156/top-five-wealthiest-one-percent/


 数百人の抗議者たちによる目下継続中のウォール街占拠は三週目――そして、抗議活動はボストンやロサンジェルスといった他の都市に拡大中だ――を迎え、デモ参加者は新しいスローガンを掲げた:「我々は九九%だ(We are the 99 percent)」。このスローガンは、九九%のアメリカ人と最も豊かな一%のアメリカ人と間の経済的な闘いについて触れたものだ。最も豊かな一%のアメリカ人は、中産階級の富をすり減らして、ますます国富において大きなシェアを占めるようになっている。

 一%の最富裕層アメリカ人が正確にはどれほどお金持ちであるかを知って、あなたは衝撃を受けるかもしれない。シンクプログレスは、アメリカのこの超富裕階級に関する五つの事実をまとめた。


1. 一%の最富裕層アメリカ人が、アメリカの富の四〇%を所有している:

 ノーベル賞受賞者のジョセフ・スティグリッツが指摘したように、最富裕層の一%のアメリカ人は今や国家の富の四〇%を所有している。社会学者のウィリアム・ドムホフ(William Domhoff)は、二〇〇七年の統計を用いて、一%の最富裕層アメリカ人が四二%の金融資産を所有しているという、この富の不均衡を図示している(自己資本合計は個人の住宅の価格を引いたもの)。最下部の八〇%はどれほどの富を所有しているのだろうか?たったの七%である:

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 スティグリッツが指摘したように、この不均衡は過去のそれよりもひどくなっている。二五年前には1%の最富裕層は、三三%の国家の富を所有していた。


2. 一%の最富裕層のアメリカ人は、国民所得の二四%を得ている:

 今日では、一%の最富裕層アメリカ人がほぼ四分の一の国民所得を得ているが、一九七六年にはたった九%を得ているだけだった――つまり、彼らの国民所得におけるシェアは、およそ三〇年で三倍になった。


3. 一%の最富裕層アメリカ人は、アメリカの株式、債券、投資信託の半分を所有している:

 政策研究所(The Institute for Policy Studies)は、金融投資の所有における非常に大きな不均衡を図示している。五〇%の最下層のアメリカ人は、これらの投資のたった〇.五%を所有するだけであり、無に等しい:

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4. 一%の最富裕層のアメリカ人は、わずか五%の個人的負債を抱えるだけである:

 二〇〇七年の統計を用いて、社会学者のウィリアム・ドムホフは、一%の最富裕層が五%の個人的負債を抱えているのと対照的に、九〇%の最下層が七三%の個人的負債を抱えていると指摘している

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5. 一%の最富裕層のアメリカ人は、一九二〇年代以来最も多くの国民所得を得ている:

 予算政策優先度センター(Center for Budget and Policy Priorities)が、二〇〇七年のデータを用いたこのチャートで図示するように、一%の最富裕層アメリカ人は、国民所得における非常に大きな割合を占めるにとどまらず、彼らの国民所得におけるシェアは大恐慌の時代よりも大きくなっている:

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 エリザベス・ウォーレン教授が解説したように、「この国には、独力で豊かになった人など誰もいない。誰もだ。隠された社会契約の一部は、あなたが何かを得るためには、次にやってくる子どものために先に支払う、ということだ」。さらに頻繁にこの現象は起こり続け、デモ参加者たちに、通りへと繰り出す理由を与え続けている。



訳者コメント:
 アメリカの不平等をわかりやすくまとめた簡潔な記事。原文にあるリンクはThinkProgress内の記事へのリンクを除いて全てそのまま。ただし、訳者はそれらの全てを消化しきれなかった。

 「total net worth minus the value of one’s home」というのをどう訳するか、最後のエリザベス・ウォーレン教授の言葉をどう訳するか、考えあぐねた。どなたかご教示を。


2012/6/3:
 若干の語句の修正と表記の統一。わからなかった部分を「自己資本合計は個人の住宅の価格を引いたもの」と訳してみた。題名を「一%の最富裕層アメリカ人について知っておくべき五つの事実」に変更。

by BeneVerba | 2011-10-19 20:22 | 翻訳 | Trackback | Comments(0)