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日本大使への手紙
Letter to Ambassador of Japan
2011年11月02日 - ビアンカ・ジャガー
原文:
http://twitter.com/BiancaJagger/status/131733982911012864
http://www.twitlonger.com/show/dv7seu

以下は、福島原発震災がもたらした放射性被曝の恐怖の中で生きる日本の母親たちのため、日本大使に届けた手紙です。


ビアンカ・ジャガー人権財団
103 イヴァーナ・コート
ロンドン W8 6TX

林景一駐英国特命全権大使殿
101-104 ピカデリー
W1J 7JT
ロンドン
2011年11月2日


閣下,

2011年3月11日の津波が引き起こした壊滅的な結果による恐怖の中で生き続けている、日本中の数千の母親たちを支持するため、この手紙を差し上げます。請願書に署名した世界中の人々及び私は、日本政府の政策が、既存の津波被害とそれにより引き起こされた放射性被曝の破滅的な衝撃に対し、逆向きの結果を増すものだと信じるものです。今尚継続中である福島第一1号機及び2号機、3号機、4号機からの漏洩は、最善のシナリオでも数百万の人々の発ガン率の上昇をもたらすでしょう。

数千の母親たち及び請願書に署名した人々の懸念を貴方に伝えるととにも、次の要求を満たすことにより、放射性被曝を食い止めるために、可能な限りのあらゆる対策を講じるよう日本政府に対して訴えるものです。

  • 福島第一原子力発電所及び他地域の危険な放射性瓦礫は、被災した地域に留めておくべきであること。
  • 継続中である発電所の火災を止めるために、努力を集中するべきであること。また、3月11日以前に定められていた放射能レベルに基づき、人々は隣接地から避難するべきであること。
  • 許容しうる放射能レベルを増加させるという政策は、震災前のレベルにまで反転されるべきであること。今日、日本政府は計画的に放射性物質を拡散しており、愛国的な行為として福島産の食品を食べるよう公的な催しを開催しており、食品及び瓦礫の放射線の安全基準値を増加させている。例を挙げれば、今日の日本では、499bq/kgの値を示す食品が、消費者に対し全くそれを示すことなしに市場に出回っている。同様に、日本政府は瓦礫の放射線許容値を二倍に引き上げ、それらは焼却され海に投棄されるために、東京湾を含めた各地へと、国中に輸送されている。

私たちは、既に悲劇的である出来事が、国際的な範囲の壊滅的な環境災害へと変わることに対し、深い懸念を表明します。日本の環境省は、岩手県、宮城県、福島県の沿岸地域の災害による瓦礫の量を、2,382万トンだと見積もっています。瓦礫処理は日本の人々が直面する多くの障害の一つです。なぜならば、人々は生活を再建するために瓦礫を除去しなければならないからです。もし日本政府が、各地に集積される瓦礫を、充分に重要な問題であると受け止めないならば、拡散による放射性物質を含む瓦礫の処理は、もう一つの大きな問題を追加することになるでしょう。東京都は公式に、岩手県から1千トンの瓦礫を受け入れを表明しており、10月の終わりから、瓦礫を列車で輸送し、それらを焼却し、その灰を東京湾の埋め立てとして用いるでしょう。岩手県は、それらの瓦礫が133bq/kgの放射性物質を含むと見積もっています。これは震災前には違法な措置でしたが、日本政府は、2011年7月に瓦礫の安全レベルを100bq/kgから8000bq/kgに引き上げ、10月に10,000bq/kgに再度引き上げました。東京都は総計で50万トンの瓦礫の受け入れを表明しています。その岩手県では、2011年8月12日に、薪(の樹皮)から1130bq/kgの値が検出され、人気のある宗教行事でそれを燃やそうとしていた京都府は、汚染を理由にそうしないことに決めました。

日本政府によるこれらの行為がもたらす結果を、正確に予測することは困難ですが、今現在とんでもない環境的な大ばくちが行われていることは、誰にも否定できません。この問題は、地理的に被災地に近い東京地域に限った問題ではありません。東京都知事はこの措置が、他の地方自治体が瓦礫を受け入れるように奨励することを希望すると述べています。細野環境大臣は、2011年9月4日の記者会見において、「福島の痛みを日本全体で分かち合うことが国としての配慮ではないかと思っている」と述べ、原発事故近くの瓦礫や土壌を焼却する最終処理施設を、福島県外に設置するという彼の意図を繰り返しました。もし多くの地方自治体が東京都の指導に続くのならば、直接的な放射性物質拡散の被害を受けていない地域も、土壌や水質の汚染を招くことになるでしょう。

私は敬意を表しつつ、日本政府に対し汚染された地域の瓦礫を拡散し、焼却し、投棄することを思い留まらせるように、貴方に強く促すものです。それらは現在の場所に留めておくべきであり、人々は3月11日以前に実施されていた基準に従って避難させるべきです。日本の数千の母親たち及び私が恐れていることは、もし日本政府がこれらの政策を押し進めるのならば、現在及び過去の世代の運命が、危機に瀕するということです。悲劇的な結果を招かないように、適切な行動が取られることが私たちの望みです。


この件につきまして、閣下が思いやりのある配慮を取られるならば、ありがたく存じ上げます。

敬具,


ビアンカ・ジャガー
ビアンカ・ジャガー人権財団創設者及び会長



訳者コメント:
 1ヵ月以上前の文書だが、Twitterでリツイートされて回ってきたために、今日知ったもの。ローリング・ストーンズのミック・ジャガーの元夫人、ビアンカ・ジャガーさんが、ビアンカ・ジャガー人権財団の名前で林景一駐英国特命全権大使に送った手紙の全文を、これまたTwitter(ないしTwitLonger)に投稿した原文から訳した。誤訳などあればぜひご指摘を。

 現在の津波ではなく地震が原発事故を引き起こしたという主張とは異なる部分があるが、それにしても彼女が、これほどまでに正確に日本で起こっていることを知っているのには驚くばかりだ。私は、この手紙から、9月19日の「さようなら原発」の集会での武藤類子さんのスピーチを思い起こしてしまう。既に有名であるこの講演から以下にその結語部分を引用しておこう。

 たったいま、隣にいる人と、そっと手をつないでみてください。見つめあい、互いのつらさを聞きあいましょう。怒りと涙を許しあいましょう。今つないでいるその手のぬくもりを、日本中に、世界中に広げていきましょう。

 私たちひとりひとりの、背負っていかなくてはならない荷物が途方もなく重く、道のりがどんなに過酷であっても、目をそらさずに支えあい、軽やかにほがらかに生き延びていきましょう。

 


by BeneVerba | 2011-12-11 15:34 | 翻訳 | Trackback(1) | Comments(0)