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全てのマイノリティは新しいマジョリティである
The All Minority Are The New Majority
2011年10月30日 - アンジェラ・デイヴィス
原文:
http://pastebin.com/9sEVQv2K
https://www.youtube.com/watch?v=cmxWyhIPzgM

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ファシリテーター:
 マイク・チェック。マイク・チェック。

 どうもありがとうございました、アンジェラ。それでは質疑応答の時間に入りたいと思います。フレイリーが順番係を務めます。質問したい人は、彼女に目で合図を送ったり、近くまで行って肩を叩いたりして下さい。

 質問の順番が回ってくるまでは、後ろの方で座って待っていて下さい。最初の質問者は誰ですか?

質問者:
 こんにちは、アンジェラ教授。あなたの成したことの全てに感謝します。私と友人のアンジェラは、ズコッティ公園に来たばかりで、行動の日を計画するのに苦労していました。それはあなたが話されたことの中にも現れていたことでもあるとともに、そうした懸念を効果的にまとめあげることについて、どのような提案をなさいますか?

 つまり、女性やトランスジェンダーに対する抑圧、あらゆる人種、あらゆる国籍やルーツを待つ人々に対する抑圧、この世界に存在する全ての差異に対する抑圧を、一つのまとまりとして考えるということです。

 ですが、不均衡なことに、そうした人々は、この運動に関してテレビや新聞に採り上げられる人々よりも、さらに抑圧に苦しめられているのです。そうした人々を周縁化したり、かれらに沈黙を強いたりせずに、しかし、この大きく異なるものの、密接なつながりを持つ問題について、真の文化的な変化をもたらすにどうしたらよいのでしょうか?ありがとうございました。

アンジェラ・デイヴィス:
 それは複雑な問いですね。この問いは、実践することで解決していくものです。

 それは私が、「私たちは、複雑性を持った統一性の下に連帯することを学ばなければならない」と言った時に言いたかったことです。差異を消してしまわないような統一性です。歴史的に周縁化されてきた人々が、コミュニティの全体に成り代わって、声を上げることができるような統一性です。

 月日が過ぎるにつれて、あなた方のみなが、今よりもさらに深く学ぶことを、私は確信しています。この運動が、当初からマジョリティの意志を表現するものであったことを、見過ごしてはなりません。しかし、マジョリティもまた、全ての差異を包摂するという観点から、敬意を払われるべきものなのです。

ファシリテーター:
 次の質問者は、リンダ。

質問者:
 こんにちは、私がリンダです。あなたが、ここに来てくれたことに、感謝の念を表したいと思います。ここ「ウォール街を占拠せよ」で、あなたが廃絶しようとしている産獄複合体について、何か手助けできることがありますか?

アンジェラ・デイヴィス:
 産獄複合体を終わらせるために、あなた方ができることはたくさんあります。教育は、産獄複合体を終わらせるのに、役立つことでしょう。住宅事情の改善、職業の供給、保険制度の充実、特に精神保健制度の充実。これらの全てが、監獄というものを、時代遅れの代物にすることに、役に立つことでしょう。

ファシリテーター:
 次の質問者は、イーザン。

質問者:
 こんにちは。私の質問も産獄複合体についてのものです。あなたは活動家として、己の闘争を、長年に渡って闘ってこられました。私たちは、刑務所という制度に対して、直接行動に参加する際に、どのような戦略を採用するべきなのでしょうか?

 この運動に参加している人々の多くが、逮捕されうるということが大きな特権であり、奇妙な力学を生むものであると認識しています。なぜなら、多くの人々は制度のとりこになっているからです。そういうわけで、活動家は市民的不服従を戦略として用いる歳に、そうした力学を慎重に取り扱うべきだと思いますか?

アンジェラ・デイヴィス:
 これも複雑な問いですね。なによりも、私は刑務所の廃絶を、真剣に考えています。まず、刑務所の廃絶を、私たちのラディカルな政治的アジェンダに、付け加えることからはじめましょう。

 市民的服従が――、言い間違えました「市民的不服従」ですね、市民的不服従が関係する限りにおいて、それは真剣に取り扱われるべきものです。単純に、逮捕が起こりうるかもしれないからという理由ではありません。それは、より奥深い特定の目標を持って、なされるものなのです。

 「逮捕されちゃった」という新しいアプリが、あるそうですね。もっと大きなコミュニティにおける状況が重要なのです。不当逮捕が起きた時には、法律家、活動家、その他の人々が対応することが大切です。そうしたものが、組織化さねばなりませんし、それだけの理由はあるのです。そうですね、刑務所廃止運動において、私たちは「ムミア解放!」と声を上げましょう。そして、「死刑を廃止しよう!」と言いましょう。そして、「トロイ・デイヴィスに尊厳を!」と。

ファシリテーター:
 次の二人の質問者は、私たちのファシリテーターのどちらかです。ショーンはずっと精力的に活動してきました。私は、質問箱を開けて、新しい人の声を聞こうと思います。ここにいる人で、発言したい人はいますか?それでは、あなた!

質問者:
 マイク・チェック。私はジャネルです。デイヴィスさんへの私の質問は、いったいどうやって、有色人の若者たちの無関心に揺さぶりをかけて、社会運動へと参入させればいいのか、どうやって著名人たちを巻き込めばいいのかというものです。

 特に、より貧しく、手助けが必要であるにも関わらず、充分なサービスを受けていない地域の若者たちをです。カニエ・ウェストやジェイ・Zのような人々は、金持ちや富についてラップしていますが、彼らを聴いている若者たちは、貧しい状態に置かれたままなのです。この運動を、みんながみんなのために配慮し、全ての人々を含み、誰もが報われるような、包摂的な運動にするためには、どうしたら良いのでしょうか?

アンジェラ・デイヴィス:
 あなたの質問は、包摂性についてのものと、運動に参加したくないと感じている人々に対する、明白な抑圧の両方についてのものですね。私たちが運動を築き上げていくにつれ、今は運動を遠ざけている人々も、私たちに参加しなければならないように、感じることでしょう。私が考えるに、本当の質問は、包摂性にこだわり続けることなのです。形だけではなく、お互いの物語を語り合うことを実践することです。ジャッキー・アレクザンダーの言葉を引用しましょう。「私たちは、お互いの物語について、もっと能弁であるべきだ」。

ファシリテーター:
 次の質問者は、こっちね。

質問者:
 こんにちは。私の名前はエスターです。私の質問も似ています。日常生活において特権を奪われて、どこかしら、自分たちのためのものではないと感じていたり、あるいは、この場所に来るのが居心地良さそうに思えないと感じていたりするために、この場にいない有色人の人々に対して、何か仰りたい言葉はありますか?それにまた、リーダーのいない運動は、伝統的に周縁化された人々に、どのような影響を及ぼすのでしょうか?

アンジェラ・デイヴィス:
 まさに、それが問題です。私は、これといった答えを持っているわけではありません。ですが、有色人の人々を、女性たちを、周縁化されたセクシャリティの人々を、移民たちを――、特に、無届滞在者たちを、巻き込んでいくことに、こだわることが重要だと言えるでしょう。誰もがみな、そうした人々の声に、耳を傾けることに積極的であるべきです。伝統的に特権を与えられた人々は、権利は周縁化され人々にも及ぶものであることに、自覚的になるべきなのです。これこそが、私たちの誰もがしなければならない仕事なのです。どうもありがとう。

ファシリテーター:
 次の質問者は?すぐあっちに。

質問者:
 二、三ヵ月も経てば、選挙戦が人々の注目を引き付けはじめると思います。民主党支持者は、大銀行やウォール街に反対するかのような姿勢を取りたがります。どのような政治的姿勢をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。第三の政党なのか、それとも他の何かあなたにできることなのか。


アンジェラ・デイヴィス:
 それには一つの方法しかありません。二大政党制は、これまでずっと機能したことがありません。今でもそうです。明らかに、私たちには別の選択肢が必要です。

 個人的には、私たちには、強力で、ラディカルな、第三の政党が必要だと思います。この運動においては――、これはもちろん政党ではありません――、政党ができる以上のことを成し遂げています。ですから、腐敗した二大政党制に圧力をかける最善の方法は、この運動を育て上げていくことだと、私には思われます。

 それを実践するためには、この国だけでなく、海の向こうの人々とも、連携しなければなりません。中東で闘いを担っている人々と、アフリカで闘いを担っている人々と、ヨーロッパで、オーストラリアで、ラテン・アメリカで闘いを担っている人々とつながるのです。それが、政治体制に圧力をかける最善の方法だと、今の私は考えます。

ファシリテーター:
 次の質問者は、マイケル・アダムズ。

質問者:
 デイヴィスさん、私はずっと資本主義に反対してきました。私は、資本主義とは自己中心的で、貪欲なものだと考えます。私は、私たちの祖先たちが、何百年も前にしたように、新しい貨幣を造り、物々交換をやるべきだと思うのです。それから、私があなたにお聞きしたい意見は……私は、企業の奴隷でした。大企業に勤めていたのです。今はもう、そんなことをしようとは思いません。私は、資本主義社会に対する、あなたの意見をお聞きしたい。

アンジェラ・デイヴィス:
 私は、資本主義はゴミだ、というあなたの意見に賛成です。私の人生における大半――途方もない大半――、ちょうどここのグリニッチ・ヴィレッジの高校に通っていた時から、私は、いくどもいくども、「打倒資本主義!」と言ってました。しかし、私たちに必要なのは、より複雑なオルタナティヴです。

質問者:
 物々交換については、どうですか?

アンジェラ・デイヴィス:
 私たちが必要としているのは……私たちが、いつかは貨幣なしに生きていけるようになる、というあなたの意見に賛成です。貨幣が不要になる時代を、私たちは想像してみなければなりません。一方で、このラディカルな闘争においては、あらゆる範囲の問題設定が定義可能なのです。ですが、私は打倒資本主義に賛成です。

ファシリテーター:
 次の質問者。

質問者:
 みなさん、こんにちは。私の名前はケシです。こんにちは、デイヴィス教授。私たちのために、スピーチと、質疑応答をありがとうございました。

 あなたの「ウォール街を占拠せよ」という言葉に対する意見は、どのようなものでしょうか?植民地支配の歴史を考えると、より大きな世界的な規模の運動において、「占拠」という言葉が含む意味に対して、どうお考えですか?また、この運動を構築するに当たって、運動を持続的なものに、政治的なものに、包摂的なものにするために、言葉はどのような役割を果たしているのでしょうか?

アンジェラ・デイヴィス:
 素晴らしい質問ですね。私たちは、言葉に挑んでいるのです。私たちは、また、言葉を変えようとしているのです。

 私たちは、私たちが用いる言葉の共振に気付いています。私たちは、プエルトリコの運動が、「反占拠」というスローガンを掲げたことを知っています。私たちが、「ウォール街を占拠せよ」という時には、この国が先住民の虐殺によって占拠されて、建国されたものであることに、自覚的でなければなりません。

 私たちが、「ウォール街を占拠せよ」とか、「ワシントン・スクエアを占拠せよ」と言う時には、占拠は他の国では、暴力的で残忍なものであることに、自覚的でなければなりません。パレスティナは、その土地を占拠し続けており、私たちは、軍事的な占領に「ノー」と言う方法を学ばなければならないのです。それと同時に、私たちは、「占拠」という言葉の意味を変えようとしています。私たちは、「占拠」を美しい何かに、コミュニティをまとめ上げる何かに、愛、幸福、希望を求める何かに、変えているのです。

質問者:
 他の国々での女性の投票権についてはどう考えますか?どうお感じになりますか?

 全ての女性は投票する権利を持つべきです。そのことは理解されなければなりません。とはいえ、あなたの言うとおり、多くの国々では、このアメリカでも、女性は投票から遠ざけられているのです。

質問者:
 中東については?中東のムスリム国家については、どうですか?

アンジェラ・デイヴィス:
 既に述べたように、そのことは理解されなければなりません。あらゆる場所において、女性は、投票する権利を持つべきなのです。そして、私たちはあらゆる場所での女性の投票権を、支持しなければなりません。

 しかし、同時にまた、多くの問題もあるのです。多くの場合において、民主主義とは、投票権のことだとみなされています。しかし、民主主義とは、はるかに多くの意味を持つものです。そうして、この運動は、新しく、より創造的な民主主義のための戦略を、発展させている最中だと考えます。

ファシリテーター:
 次の質問者は、白いスカーフの女性。

質問者:
 こんにちは。お会いできて光栄です。私は、無駄なことはしたくありません。現実的でいたいのです。私たちは、どのようにして、私たちが「複雑な統一」と呼んでいるものを進めたり、調和させていくことができるのでしょうか?ですが、平等や進歩、その他は「空白補充」の再分配を必要とします。ボランティアにしろ、その他にしろ、もっと多くの「空白補充問題」が必要なのです。

アンジェラ・デイヴィス:
 質問ありがとうございます。それこそが、この運動の全てに思えます。形式的な平等を、どうやって内実のある平等に変化させるのか。そのために、私たちは、住宅問題や、教育の無償化、教育の脱商品化、福祉サービスの充実を支持しているのです。それにまた、想像力の行使や、職業の要求、正義への要求もです。平等、自由、それらは、この運動が目指しているものの全てに思えます。自由への要求であり、自由の再定義でもあります。

ファシリテーター:
 次の質問者は、こちら。

質問者:
 こんにちは。数々の革命や動乱は、巡り巡って、また別の革命を呼んできました。何かとても素晴らしいものの先頭にいると、私には思えるのです。それで、私の質問というのは、この運動をただの「もう一つの革命」にせず、持続性があり、人間味のあるものにするために、何ができるのだろうかということです。

アンジェラ・デイヴィス:
 良い質問ですね。しかし、これが「もう一つの革命」だとしても、とても素晴らしいことだと思います。でも、あなたの質問はわかります。過去を思い描き、現在を生き、未来を想像することで、この運動が、私たちを前進させることでしょう。

 私たちは、未来が決して何をもたらすのか、知ることはできません。私たちは、私たちの活動が、どのような可能性を持った帰結をもたらすのか、決して知ることはできません。学者にして活動家の、スチュアート・ホールは、かつて「保証などはない」と述べたことがあります。保証はありません。ですが、私たちは、私たちの理想や、希望、想像を反映させた未来を、築き上げることができるかのように、行動することはできます。

ファシリテーター:
 次の質問者は、こっちです。

質問者:
 選挙の話に焦点が集まったおかげで、第三の政党に投票すべきだと私は考えています。しかし、選挙をボイコットするという選択には、より力があるのではないでしょうか?

アンジェラ・デイヴィス:
 私の考えを明確にしてくれて、ありがとうございます。なぜなら、私が、私たちには、ラディカルな第三の政党が必要だと言う時、それは未来を投影して言っていることなのです。また、私は、独立した政党こそが、今日では重要な役割を果たすだろうと考える一方で、私たちは共和党に議席を与えてはならないと言わねばなりません。

 ブッシュが大統領だった時のことを覚えていますか?わずか数年前のことです。そしてまた、質的には異なる状況ではありますが、同じように、オバマも私たちを失望させました。オバマ政権に圧力をかける最善の方法は、この運動を築き上げてゆくことです。

 この運動は、オバマをトップに選ぶことのできる、勢力を反映したものです。そのことを忘れないようにしましょう。そして、労働組合を巻き込み、教会の人々を巻き込み、貧しい学生たちを巻き込み、あらゆる人々を巻き込んで、この運動を築き上げてゆきましょう。私たちが「九九%」と言う時、私たちは、「九九%」の人々を組織化することを、固く決意しなければいけません。

質問者:
 ディヴィスさん、ありがとうございました。あなたが、私たちのためにしてくれたことと、してくれていることに感謝します。私は、あなたは光輝く実例であり、私たちがやらなければならない、真剣な研究と熟考の反映だと思います。

 私は、最近になって、独学で『共産党宣言』を読み始めました。あなたが、かつて共産党の党員だったことを知っています。そういうわけで、あなたは特定の概念群に対して、親しまれていると確信しています。私は「危険な階級(ルンペン・プロリアート)」というアイディアに、惹かれています。「社会の屑、この受身の腐敗した群れは、時として、プロレタリア革命によって、運動へと引き込まれるが、しかしながら、その生活状態からして、反動的な陰謀に買収されるであろう」。「ウォール街を占拠せよ」が、私たち独自の「危険な階級」になりうるという、潜在的な三つの概念を与えてくれませんか?

アンジェラ・デイヴィス:

 三つですね。一番目は、「私はトロイ・デイヴィスだ」というスローガンです。州政府によって死に直面していた時、トロイ・デイヴィスは、私たちに、死刑執行に抗して、この運動を継続してゆく可能性を、与えてくれました。それが一つの方法です。

 私は、長年にわたって刑務所廃止運動に、携わってきました。今年は、アッティカ刑務所の反乱から、四〇周年記念にあたります。この運動が、アッティカの反乱から、四〇年後に起きたのは、全くの偶然でしょう。「危険な階級」となるには、アッティカ刑務所で四〇年前に、アフリカ系の囚人、ラテン系の囚人、白人の囚人、ネイティブ・アメリカンの囚人たちが、団結して民主的なコミュニティを作り、ラディカルな変革を求めたことに学ぶことです。それが二つ目の方法ですね。

 私は、もっともっと多くの方法を、あなた方に伝えることができるのですが、あなたはたった三つだけを、教えてほしいのですね。無届滞在者たちと、自分を同一視しなさい。それがもう一つの方法です。この国では、他のどの集団よりも大きな割合で逮捕されている、トランスジェンダーの人々と、自分を同一視しなさい。それが四番目の方法です。

 もっともっと多くの方法を、伝えたいのですが、ここらでお終いにすることにしましょう。あなた方は、私の伝えたかったことを、理解してくださっていると思います。

ファシリテーター:
 最後の質問者、クリスティーナ。

質問者:
 あらためまして、ここに来られたことに感謝したいと思います。これは、とても大きな喜びです。私は、これを目撃することができるように、娘を連れてきました。私の質問は、保守派の同胞たちに対して、私たちはみな一つだと言うことを知らせるために、どのように出迎えたら良いのかというものです。

アンジェラ・デイヴィス:
 保守派の人々はいます。保守派の人々はいるのですよ。私の戦略は、いつももっとも受け入れやすい人々を、運動に連れて来るというものです。私たちが、巨大になるにつれ、より多くの保守派の人々が、取り残されたと感じるようになり、私たちに加わるようになることでしょう。実に簡単なことですね。

 ありがとうございました。



訳者コメント:
 アンジェラ・デイヴィスが、二〇一一年一〇月三〇日に、ワシントン・スクエア公園で行った講演の後半部分で、前半部分のスピーチと異なり、こちらは質疑応答である。それにしても、前半部分を私が翻訳したのは、なんと二年以上も前のことになる。本来ならば、前半部分を訳した後、数日からせめて数週間以内に、今回訳した後半の質疑応答部分を訳出したかったのだが、大まかに言って、二〇一二年は、『ウォール街を占拠せよ――はじまりの物語』の翻訳に明け暮れ、二〇一三年は、労働委員会での大月書店との闘争に明け暮れた。そして、それらは私を疲弊させた。

 「マディソン通りからマドリッド通りまで詰めかけて」(正しくは、「ウィスコンシン州のマディソンからスペインのマドリッドまで」)という、まともにリサーチをしたとは思えない珍訳本を堂々と出版したり、今どき「ブラックパンサーのアンジェラ・デイビスを祭り上げたりして」(彼女は、今でも現役の活動家であり、『監獄ビジネス――グローバリズムと産獄複合体』という本も出している)などといった駄文を書き散らしていたピエロめいた御仁がいたことなども思い出す。

 なお、私が最近電子メールで連絡を取った、OWS関係者に拠れば、「私たちの運動は、政府によって破壊されてしまった」そうである。それでも、記録として本稿を訳すことにする。また、動画の著作権者のRobert K. Chin氏の許諾を得たので、できる限り早く、日本語字幕版の動画も公開する予定である。




by BeneVerba | 2014-09-09 12:08 | 翻訳 | Trackback | Comments(0)
 私は、『ウォール街を占拠せよ――はじまりの物語』の翻訳者として起用される以前から、インターネットで寄付を募ることを考えていました。稼ぐためにではなく、インターネットでの翻訳活動を自律したものとして維持するためにです。外国語で書かれた記事を翻訳することは、その記事を読むのに比べて、はるかに多くの時間がかかります。さっと読めるような記事でさえ、いざ日本語に訳してみると結構手間がかかるものです。自分の生活から、翻訳に必要な時間と労力を割いてもよい、と思えるだけの何かが必要でした。

 二〇一一年の一〇月から一一月にかけて、「ウォール街を占拠せよ(OWS)」運動がもっとも慌ただしい展開を見せていた頃に、この運動に関連する文書を立て続けに翻訳しながら、感じていたことが、いくつかありました。そのうちの一つは、この先もこの動きに付き合っていくことになるのだろうということ。もう一つは、翻訳活動が明らかに実生活を犠牲にしているということでした。

 その当時に、ブログなどで書いたりしませんでしたが、翻訳に時間を取られるあまりに、いくつかの大切な案件をしくじっていました。それにまたインターネットで翻訳を公開することには、いくつかの危険も伴っていました。

 人々と共有したいと思う文書を翻訳し公開するのに、インターネットは非常に適したメディアだと思います。しかし、いくらインターネットで広く読まれた翻訳であっても、後で活字による翻訳が現れると、そちらの方が「正典」と見なされかねません。

 また、私が既に翻訳を発表している文書を、他の誰かが別に訳すことになった際に、その人が私の翻訳をこっそり参照しつつ、そのことには言及しなかったとしても、それを防ぐ手だてはありません。以前に、中野真紀子氏がオンラインで発表していた翻訳を、早尾貴紀氏が剽窃したとして、中野氏が抗議したことがありました。インターネットで翻訳を公開することには、無報酬かつ無記名の下訳係として利用される危険性が付きものなのです。

 上述のような理由ゆえに、その後『はじまりの物語』を翻訳することになったのは、喜ばしいことでした。時々翻訳書を出せるのなら、インターネットで世界の社会運動を紹介するという私の仕事を、側面から支えるものになるだろう、と考えたのです。それに加え、『はじまりの物語』を翻訳する中で、OWSについて、また二〇一一年に起きた地球規模の運動について、知見を深めることもできました。


 しかし、やがて暗転がやって来ます。

 『はじまりの物語』の出版後に、次に翻訳する本をどうするかについて、大月書店との間でやりとりがありました。それは友好的かつ前向きなもので、その際に翻訳の候補として数冊の書籍が挙げられていました。しかし、私が、脱原発運動における日の丸の容認などを批判していることについて、大月書店側は否定的な態度を取り始めました。

 大月書店が『はじまりの物語』の翻訳を打診してきたのは、二〇一二年の初頭ですので、私が、それ以前に、ブログなどでそうした傾向を批判してきたことを知っていたはずです。にもかかわらず、最終的には、ある一冊の本の翻訳者として起用することを断られました。

 私が、脱原発運動における日の丸の容認や右翼との共闘に反対するのは、思想的な理由だけに基づくものではありません。もう一つの理由としては、私が韓国籍だった祖父(故人)を持つ日本国籍者として生まれたことが挙げられます。そして、大月書店側には、その両方の理由を伝えていました。私にとって、日の丸は、私のような人々を殺し、犯し、虐げ、支配してきた(そして、今もそうしている)旗です。

 私は、そうした理由に基づき、脱原発運動の中の日の丸は全く容認できないし、批判を控えることはできないと伝えました。ですが、大月書店は私の首都圏反原発連合などへの「罵倒」を問題にし、「出版はビジネス」だとして、先に述べた書籍の翻訳者として私を起用することを拒否したのです。

 日本も批准している「国際人権規約B規約」は、その第二七条において、マイノリティの権利を定めています。また、一九九二年に国連で採択された「マイノリティの権利宣言」では、より全面的にマイノリティの権利が謳われています(日本政府による朝鮮学校の無償化からの適用除外や、今まさに各地方自治体に広がりつつある、朝鮮学校への補助金打ち切りといった差別政策は、こうした権利を侵害するものです)。
国際人権規約B規約
第二七条
 種族的、宗教的又は言語的少数民族が存在する国において、当該少数民族に属する者は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。

マイノリティの権利宣言
第四条
 マイノリティに属する人々は、個人として、また当該集団の他の成員たちと共同して、いかなる差別もなしに、この宣言に定める権利を含めた、その諸権利を行使することができる。

 マイノリティの権利は保障されており、民族的なアイデンティティを持つことは人権の一つです。私は、国籍としては日本国籍ですが、自分の中にある朝鮮半島とのつながりも、とても大切なものです。

 私は、脱原発運動に携わりつつ、日の丸の容認などの誤った動きに反対してきました。私が、脱原発デモなどに出かける時には、崖から飛び降りるような決意を必要とします。なぜなら、そうした抗議の現場に行くと、必ずと言っていいほど日の丸があり、ほとんど全ての人がそれを容認してしまっているからです。

 脱原発運動における日の丸や右翼を容認することは、「朝鮮人や中国人といったマイノリティよりも、日の丸や右翼の方が大切だ」と宣言しているのに等しいのです。そのような脱原発運動は、解放の場ではなく抑圧の場となっており、言いたいことを言う場であるよりも、はるかに言いたいことが言えない場になっています。現在の脱原発運動は、根深い日本人中心主義に陥っています。

 脱原発デモを妨害するために、在特会や右翼がやって来ますが、デモの中にも日の丸が掲げられるなら、私の居場所はどこにもなくなります。私にとっては、どちらも恐怖の対象ですが、脱原発運動の中に日の丸があることは、後ろから撃たれるようなものです。

 私が、こうして自分のプライバシーの一部(もちろん一部に過ぎません)を、状況に強いられつつも、明らかにすることを決めたのは、私のものであれ、誰のものであれ、マイノリティとしてのアイデンティティを社会が受け入れることは、当たり前のことだと考えるからです。しかし、日本社会は、全くのところ、多様なエスニシティを持った人々や、その他のマイノリティたちが社会の中に存在することを認めていません。そうであるならば、変わらなければならないのは私や私たちではなく、日本社会の方です。そして、私はそれを変えようとしているのです。

 大月書店に対しては、加入している労働組合を通じて、昨年から団体交渉を要求していますが、まだ団交は行われていません。私は、この争議は契約関係を争うのみならず、自らの命と尊厳を賭けた闘いだと認識しています。

 それにまた、この闘いは、現在の日本のファシズム状況との闘いでもあると考えています。非常事態を理由として、脱原発以外の重大な問題が棚上げされてしまい、その脱原発運動においても日の丸や右翼が跋扈し、これまで社会運動を担ってきた側も、それを受け入れてしまっているという状況です。私は、こうした傾向を「下からのショック・ドクトリン」とか「自発的なショック・ドクトリン」と呼んでいます。したがって、私が告発しているのは、大月書店だけではありません。

 寄付を募る目的は、冒頭に述べたように、翻訳活動を持続的に続けてゆける状態を維持することです。しかしながら、もし、みなさんが、寄付という形で私を支援してくれるのなら、翻訳を通して、インターネットで世界の社会運動を紹介していくという活動に対してのみならず、大月書店との争議に対しても、大きな支援となります。

 私の活動を支援していただけるのなら、寄付のご検討をよろしくお願いいたします。


▼ 寄付の方法と寄付に対する考えなど

 寄付には二つの方法があります。一つは郵便振替による寄付、もう一つはChari-boという募金代行サービスを使った寄付です。しかし、Chari-boは「システム利用料」として、「最大で20%」をさっ引くとのことなので、郵便振替口座への寄付の方を強くお勧めします。

 寄付は、個別の翻訳ないしは文章ではなく、私の翻訳活動、著述活動の全体に対して寄付されるものとします。また、寄付の際にお寄せいただいた意見があれば、それらを参考にいたしますが、何を翻訳し、何を書くかという判断は私にあるものとします。また、寄付者からお寄せいただいた意見は平等なものと見なし、寄付金の多寡によって、軽重を計ることはしないものとします。

 また、アマゾン・ドット・コム社のアフィリエイトを、導入することにしました。導入については迷いもありましたが、アフィリエイトを採用する側が、商品を選べることなどを考慮して決めました。書籍を購入する際に、利用していただけると助かります。他には、もちろん『ウォール街を占拠せよ――はじまりの物語』を購入することも、私への助けとなります。


▼ 郵便振替
口座名義:芦原省一
口座記号:01710-5-72665

店名:一七九
預金種目:当座
口座番号:0072665
*ゆうちょ銀行以外から振り込む場合






by BeneVerba | 2013-03-31 21:37 | 情報 | Trackback(1) | Comments(7)
全てのマイノリティは新しいマジョリティである
The All Minority Are The New Majority
2011年10月30日 - アンジェラ・デイヴィス
原文:http://www.youtube.com/watch?v=dVm9oIt5vPk





 この午後に、あなた方の中に加わるのは、本当に名誉なことです。なぜなら、あなた方は私たちの政治的世界を再発明したからです。あなた方は、私たちの集団的な情熱を新たにしました。あなた方は、私たちに思い起こさせてくれました。抵抗の共同体を築くことは未だ可能だと。あなた方は、私たちに示し続けています。その参与、献身、協働の姿勢を。そして、容認を拒否するあなた方の姿勢を。階級的ヒエラルキー、人種的ヒエラルキー、ジェンダー・ヒエラルキー、セクシャル・ヒエラルキーを拒否する姿勢を。

 あなた方の運動は、マジョリティに呼びかけるものです。マイノリティに対して立ち上がることを。あらゆるマイノリティは、今や新たなマジョリティとなったのです

 そうして、私たちはウォール街に対して「ノー」と言うのです。大銀行に対して「ノー」と言うのです。年に数百万ドルも稼ぐ大企業の経営陣に対して「ノー」と言うのです。学生の抱える負債に対して「ノー」と言うのです。強制排除に対して「ノー」と言うのです。警察の振るう暴力に対して「ノー」と言うのです。グローバル資本主義に対して「ノー」と言うのです。刑務所産業複合体に対して「ノー」と言うのです。レイシズムに対して、「ノー」と言うのです。階級的搾取に対して、ホモフォビアに対して、ゼノフォビアに対して、トランスフォビアに対して、身体障碍者への差別に対して、環境汚染に対して「ノー」と言うのです。そして私たちは、軍事的な占拠に対して「ノー」と言うのです。戦争に対して「ノー」と言うのです。

 私たちは「九九%」として団結しています。そこには重大な責任があります。この場所に共同体として集う決断をしたことについて。どうすれば、私たちはともに結びつくことができるのでしょうか?どうすれば、私たちは一つに結ばれることができるのでしょうか?過度に単純化されたものでなく、抑圧的なものでもない統一においてです。どうすれば私たちは、複雑でありながら、解放するような統一において結びつくことができるのでしょうか?

 ここでアフリカ系のフェミニスト、オードリー・ロードの言葉を引用したいと思います。「差異は単に容認されるべきものではない。それは欠かせない極性として見なされなくてはならない。私たちの創造性が誘電体のように火花を散らすために必要なものとして」

 このような複雑な統一の中において、私たちは、人生に対して「イエス」と言うのです。幸福に対して
「イエス」と言うのです。共同体に対して「イエス」と言うのです。教育に対して、教育の無償化に対して「イエス」と言うのです。経済的な、人種的な、ジェンダー的な、セクシャルな平等に対して「イエス」と言うのです。そして、私たちは想像力に対して「イエス」と言うのです。創造性に対して「イエス」と言うのです。希望に対して、未来に対して「イエス」と言うのです。

 最後に、私の故郷について、少し述べたいと思います。カリフォルニア州オークランドです。「オークランドを占拠せよ」での警察の襲撃については、ご存知ですね。撃たれたスコット・オルセンはまだ病院にいます。オークランドのジェネラル・アセンブリーは、オスカー・グラント広場で集会を開き、警察の襲撃への応答として、一一月二日のゼネストを呼びかけました。ゼネストです。これは革命的なことです。

 オークランドの抗議者たちの言葉を、あなた方と分かち合いたいと思います。「オークランドを非植民地化せよ」「我々は九九%だ」「我らは団結し立ち向かう」「二〇一一年一一月二日」「ゼネスト」「労働を拒否せよ」「学校を拒否せよ」「あらゆる場所を占拠せよ」。

 どうもありがとうございました。



訳者コメント
 昨日7月17日投稿したアンジェラ・デイヴィスの「ウォール街を占拠せよ」でのスピーチの翻訳を元に、動画に日本語字幕を付けて公開。上記テキストは字幕を形式のみ整えたもの。詳しいデータなどはそちらを。字幕付き動画の作成よりも、スピーチの質疑応答部分の翻訳を優先するつもりだったが、あまりにも分量があるため(後半部分は40分の長さ)先にこちらを。

by BeneVerba | 2012-07-18 20:51 | 動画 | Trackback | Comments(0)
全てのマイノリティは新しいマジョリティである
The All Minority Are The New Majority
2011年10月30日 - アンジェラ・デイヴィス
原文:
http://pastebin.com/9sEVQv2K
http://www.youtube.com/watch?v=HlvfPizooII


 この午後に、あなた方の中に加わるのは本当に名誉なことです。なぜなら、あなた方は私たちの政治的な世界を再発明したのですから。あなた方は、私たちの集団的な情熱を新たにしました。あなた方は、抵抗の共同体を築くことは未だ可能だと私たちに思い起こさせてくれました。あなた方は、私たちに、その参与、献身、協働の姿勢を示し続けています。階級的ヒエラルキー、人種的ヒエラルキー、ジェンダー・ヒエラルキー、セクシャル・ヒエラルキーを容認することを拒否するあなた方の姿勢を。

 あなた方の運動は、マイノリティに対して立ち上がることを、マジョリティに呼びかけるものです。あらゆるマイノリティは、今や新たなマジョリティとなったのです。

 そうして、私たちはウォール街に対して「ノー」と言うのです。大銀行に対して「ノー」と言うのです。年に数百万ドルも稼ぐ大企業の経営陣に対して「ノー」と言うのです。学生の抱える負債に対して「ノー」と言うのです。強制排除に対して「ノー」と言うのです。警察の振るう暴力に対して「ノー」と言うのです。グローバルな資本主義に対して「ノー」と言うのです。刑務所産業複合体に対して「ノー」と言うのです。レイシズムに対して、階級的搾取に対して、ホモフォビアに対して、ゼノフォビアに対して、トランスフォビアに対して、身体障碍者への差別に対して、環境汚染に対して「ノー」と言うのです。そして、私たちは、軍隊の占拠に対して「ノー」と言うのです。戦争に対して「ノー」と言うのです。

 私たちは「九九%」として団結しています。この場所に共同体として集うという決断をしたことに関して、あなた方には重大な責任があります。いったいどうすれば、私たちはともに結びつくことができるのでしょうか?どうすれば私たちは、過度に単純化されたものでなく、抑圧的なものでもない統一の中で結びつくことができるのでしょう?どうすれば私たちは、複雑でありながら、解放するような統一において、結びつくことができるのでしょうか?

 ここでアフリカ系のフェミニスト、オードリー・ロードの言葉を喚起したいと思います。「ことなりは単に容認されるべきものではなく、私たちの創造性が誘電体のように火花を散らすために必要な、極性の元となるものとして見なされなくてはならない」。

 このような複雑な統一の中において、私たちは、人生に対して「イエス」と言うのです。幸福に対して「イエス」と言うのです。共同体に対して「イエス」と言うのです。教育に対して、教育の無償化に対して「イエス」と言うのです。経済的な、人種的な、ジェンダー的な、セクシャルな平等に対して、「イエス」と言うのです。そして、私たちは想像力に対して「イエス」と言うのです。創造性に対して「イエス」と言うのです。希望に対して、未来に対して「イエス」と言うのです。

 最後に、私の故郷であるカリフォルニア州オークランドについて、少し述べたいと思います。「オークランドを占拠せよ」での警察の襲撃については、ご存知ですね。スコット・オルセンはまだ病院にいます。オークランドのジェネラル・アセンブリーは、改名されたオスカー・グラント広場で集会を開き、警察の襲撃に応答すべく、一一月二日のゼネストを呼びかけました。ゼネストは革命的なことです。

 オークランドの抗議者たちの言葉を、あなた方と分かち合いたいと思います。「オークランドを非植民地化せよ」「我々は九九%だ」「我らは団結し立ち向かう」「二〇一一年一一月二日」「ゼネスト」「労働を拒否せよ」「学校を拒否せよ」「あらゆる場所を占拠せよ」。


 どうもありがとうございました。



訳者コメント:
 アンジェラ・デイヴィスが、昨年10月30日にワシントン・スクエア公園で行った講演の前半部分。時間的な問題と分量の問題から、質疑応答は省いてまずスピーチ部分だけをアップロードすることにした。後半の質疑応答部分は、明日以降に投稿する予定(あくまでも予定)。

 アンジェラ・デイヴィスについて、私は偉そうに語れる者ではないのだが、アメリカ共産党とブラック・バンサー党の両者に深く参与した彼女は、傍らに置くことが許されない、多様な方向性を指し示す現代アメリカ史の一つのイコンであるように思われる。

 例によって、書き起こしと動画の両方を参照しつつ、より正しいと思われる語句を選んで訳していった。不明瞭な点は思い切って意訳した。こうした問題について、読者からの指摘があれば幸いである。なお、このスピーチで「フェミニスト」と呼ばれているオードリー・ロード(Audre Lorde)は、ニューヨーク生まれの詩人、作家、アクティヴィストで『Zami: A New Spelling of My Name』などの著作がある。

7/18の変更点:
 「a unity that is complex, and emancipatory」の部分を訳し忘れていたので追加。その他この翻訳を元に日本語字幕付き動画を作成する際に気になった箇所を二、三修正。

by BeneVerba | 2012-07-17 15:16 | 翻訳 | Trackback | Comments(0)