不穏な春となった。この一文を記している二〇二〇日三月三一日の現在、日本は緊急事態宣言を向かえようかというところだ。

 この数日間で、その発令が迫っているとの雰囲気が急速に形成されてきた。二七日には、小池百合子都知事が会見を開き、緊急事態宣言まで「ぎりぎりの段階」であると述べた。翌二八日には安倍総理が記者会見で、「緊急事態ではないが瀬戸際」と発言した。また、三〇日には、大阪の吉川洋文知事が会見を行い、「緊急事態宣言を出すべきタイミング」と述べた。

 私たちは今複数の危機に直面している。コロナウィルスそのもの、コロナウィルスがもたらした事態による経済的ダメージ、政治家たちによる強権政治の可能性、などである。この途方もない苦境に対して、私たちはどう立ち向かうべきなのだろうか?

 その答えを出すことは、私の能力を超えている。紙幅も限られている。だが、まずは政府に対して、コロナウィルス対策と経済的な施策を要求しつつ、緊急事態宣言や都市封鎖に反対していくことだろう。

 コロナウィルス後、世界は変わらざるを得ないだろうという人々もいる。一例だけ挙げると、ユニバーサル・ベーシックインカムの導入がそうである。一方で、中国とアメリカの対立や、隔離生活による家庭内暴力、アジア人へのレイシズムなども存在する。

 願わくば、この混沌に満ちた局面をみなで生きのびて、連帯と平等にもとづく社会を築きたいものである。



# by BeneVerba | 2020-04-06 16:45 | 意見