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「ウォール街を占拠せよ」を支持する中国の活動家と学者からのメッセージ
Message from Chinese activists and academics in support of Occupy Wall Street 2011年10月1日 - 「ウォール街を占拠せよ」を支持する中国の活動家と学者たち 原文: http://www.wyzxsx.com/Article/Class16/201110/265482.html http://chinastudygroup.net/2011/10/message-from-chinese-activists-and-academics-in-support-of-occupy-wall-street/ 今年の九月中旬以来、アメリカでは偉大な「ウォール街革命」が勃興している。「ウォール街を占拠せよ」の名で知られるこのストリートの革命は、既に七〇を超える都市と、北アメリカ、ヨーロッパ、その他の地域にまで拡大している。彼らの「ウォール街革命」の声明において、アメリカの民衆は「企業の王国ではなく、民主的な国家を」求めるものだと誓っており、民主主義革命は世界の全ての地域にまで行き渡らねばならず、彼らは目標に到達するまで休みはしないだろう。二〇〇八年の金融危機以後に始まった反資本主義デモは、今年になってヨーロッパ、中東、北アフリカ、南アメリカにまで広がり、この崇高でグローバルな民衆による民主主義運動は、遂に資本主義の金融帝国の中心にまで到達したのだ――ウォール街へと。 「ウォール街革命」の勃発は、民衆による民主主義(popular democracy)革命が世界を席巻する歴史的指標となるものである。この運動は特別に重要な意味と役割を持っている。これ以前にはストリートの革命は、専らアメリカのエリート集団が他国の政権を転覆するための道具として使われていた。しかし現在、「ウォール街革命」は、――その目標である分かち合いの繁栄と民衆による民主主義とともに――民主主義の擁護者をもって任ずる国家において、抗議運動を開始したのだ。これは必ずしや、世界各国の民衆への掠奪と抑圧に対して責任があり、世界を危機と不安定性に押しやった張本人である、アメリカのエリート集団にとって痛恨の一撃となるであろう。この抗議運動こそは、資本の支配に対して弔鐘を鳴らすものである。二十一世紀には、民衆による民主主義がエリートによる民主主義に取って代わるだろう。エリートによる民主主義から民衆による民主主義への交代を告げる幕は切って落とされたのだ。「ウォール街革命」という言葉を用いるのは、これが民衆である99%と腐敗した1%の間の闘争だからだ。1%のエリート階級に対する99%の民衆の闘争だからだ。そして、これは資本主義のエリート支配層に対する民衆の最終的な闘争なのだ。 世界は世界の全ての人々のものであり、国家はそこに住む全ての人々のものである。富は全ての人々によって生み出されるものであり、それ故に全ての人々によって分かち合われるべきものである。富は、ごく少数からなる1%の――あるいは1%以下の――エリート集団によって占有されてはならない。経済における共同の繁栄の要求と、政治における民衆による民主主義は、不可避的な歴史的潮流となっている!架空経済の高度な発展と社会的な富の巨大な流れは、全ての人々に共同の繁栄を実現するために必要な、充分に信頼できうる物質的基盤を生み出した。ネットワーク技術と政治文明の発展は、人類の社会を資本家による民主主義から民衆による民主主義へ移行させるために必要な、物質的条件を生み出した。人類の社会は、転換に必要な全き能力を備えるものである。過去の奴隷所有階級による民主主義から、封建階級による民主主義へ、資本家階級の民主主義へ、そしてエリート階級による民主主義から民衆による本物の民主主義へと、根本的な移行に必要な能力を。故に、共同の繁栄と民衆による民主主義は、二十一世紀の社会における歴史的変化の基本的な内容となるであろう。どれ程残忍にアメリカの武装警察が「ウォール街革命」の参加者たちを鎮圧しようとしても、どれ程グローバルなエリートたち――とりわけアメリカと中国のエリートたち――が、「ウォール街革命」の報道を抑え込もうとしても、世界の人々による民主主義革命の活動的な成長とその最終的な勝利は阻止できないだろう。 アメリカに主導されたエリート集団による、「ウォール街革命」の報道のインターネット上の情報封鎖と暴力的な鎮圧は、先進国であれ発展途上国であれ、いわゆる民主主義国家であれ権威主義国家であれ、虐げられた人々の運命は同じものであることを証明している。国際的なエリート階級は、グローバリゼーションを通して、最初に国家を越えて結びついた階級である。彼らによる公共の富の掠奪と民衆による民主主義運動の鎮圧は、徹底的で冷酷なものであり、そこには全く自由も民主主義もない。現代社会において自由民主主義と呼ばれるものは、資本主義のための民主主義以外の何ものでもない。それはエリート民主主義なのだ。「自由」という言葉は、エリート階級が他の人々を掠奪する自由、抑圧する自由、暴力的に鎮圧する自由を意味する別名である。民衆は現代社会において、自由と民主から完全に排除されて来た。民主的な権利と言えば、既に資本によって決められている大統領候補を選ぶことだけだ。あなたは四年に一回投票することができるが、あなたの運命を直接決めている人々に影響を及ぼす術はない。あなたのボスであれ上司であれ。そして、架空資本の手をさっと一振りするだけで、大半の人々の富を奪い去ることができる資本家のオリガルヒ(新興財閥)を束縛する術はない。自由と民主はヴァーチャルなゲームと成り果てた。それは他の国家を転覆させるための道具以外の何ものでもない。「ウォール街革命」によって代表される、現在の民衆による民主主義的な世界革命は、こうした政治的なゲームの終了を、そして、真の自由と民主を人々の手に取り戻すことを要求しているのだ。民主主義とは、単なる大統領への監視ではなく、政府の官僚たちへの監視である。民主主義とは、単なる権力への監視ではなく、資本への監視である。もし、封建的絶対的な支配者の権利と特権が罪悪だとみなされるのならば、それらを資本に与えることも同様に罪悪である。 本来、有価証券とコンピューター・ネットワークは、我々の産業社会から情報社会への、物的経済から架空経済への、資本主義から人間中心の経済システムへの、エリートによる政治から民衆による政治への移行において、決定的な二つの要素となるべきものである。しかし、エリート階級は有価証券を、中世ヨーロッパの僧侶階級によって発行された「贖宥状」の如き掠奪の道具に代えてしまった。証券化された経済においては、全ての公共の富――住居、賃金、労働力、そして将来への希望でさえも――が、簡単に空中へと溶解していくことが可能なのだ。これらのものは、ごく少数のエリートたちの掠奪の対象となっている。ある一点において、金融資産を所有する先進国のホワイトカラー中産階級と、住宅費や医療費を賄えない発展途上国のブルーカラー労働者は、同じ階級に属している。現代のプロレタリアートである。人々が、前例のない掠奪と架空資本によって引き起こされた甚大な収入格差に対して抗議した時、彼らは暴力的な弾圧を受けたのだ――アメリカのような人権の擁護者をもって任ずるいわゆる民主主義国家と、自由も民主主義もないと言われる権威主義国家の両方で。バルカン諸国から北アフリカまでのストリートの抗議運動に直面した時、オバマ大統領とクリントン国務長官は、繰り返し繰り返しこう言った。「いかなる状況においても、平和的な抗議活動の権利と公共の空間を占拠する権利は、尊重されなければならない」。にもかかわらず、アメリカの市民たちが、それらの諸権利を実際に使おうと試みた際には、即座に武装した警察による暴力的な弾圧と、メディアによる情報封鎖に出くわしたのだ。もし、これが人権の主導者を自称するアメリカの反応であるならば、他の資本主義国家における反応がどの様なものになるであろうかを予想することができる。エリート資本家による支配は、「ウォール街革命」によってまさにこう記述されている――それはあらゆる場所にある、と。我々が、民衆として生き、かつ死ぬ場所はもうどこにも残されていないのだ。 世界の金融帝国の中心における「ウォール街革命」の勃発は、世界の人々の99%――先進国の人々であれ、開発途上国の人々であれ――が、搾取され抑圧されたままであることを示している。世界中の至る所で民衆は、自らの富が掠奪され、人権が剥奪されるのを目撃している。貧富の経済的両極化は、今や我々全てにとって共通の脅威である。民衆と支配層エリートの間の軋轢は、全ての国家で見られるものである。しかし今では、民衆による民主主義革命は、その国の支配階級からのみ弾圧を受けるのではなく、グローバリゼーションを通じて形成された世界のエリート階級からの弾圧を受けるのである。「ウォール街革命」は、アメリカの警察による弾圧を受けたが、同じく中国のエリート階級による報道管制を受けているのである。 同じ運命、同じ苦難、同じ問題、同じ軋轢が我々を結びつけている。その中でグローバルなエリート階級が既に同盟を組んでいる、一つの共通の経済を前にして、世界の民衆にはただ一つの選択肢があるのみである。「万国のプロレタリアートが団結」することである。そして、エリート資本家の支配を打倒するための統一され共有された闘争の中で、誰もが、働く権利、住む権利、医療を受ける権利、教育を受ける権利、安心な老後を送る権利といった基本的人権を享受することができると保証することである。しかし、新しい社会主義世界の歴史的枠組みにおいて、共同の繁栄と民衆による民主主義を実現するためには、我々は更に推し進めなければならないだろう。資本主義が人類にもたらした危機と災害から完全に脱出し、それを無効化し、調和のとれた人類の社会的発展を実現するためには。 アメリカの民衆による偉大な「ウォール街革命」とチリの民衆による偉大な「チリの冬」は、我々が共同の繁栄と民衆による民主主義を実現する日が近づいていることを示す先触れである。それは、一九七〇年代に中断された、民衆による民主主義的な社会主義運動が、世界を再び席巻することを告げている。しかし今度は、人類が資本主義を埋葬する最後の闘いとなるであろう。民衆による民主主義の勝利とエリート支配層の滅亡は避けられない!野火焼けども尽きず、春風吹いて又生ず。民衆による民主主義が、歴史を変えるべく、再び到来したのだ! アメリカの民衆による偉大な「ウォール街革命」を断固支持する! 共同の繁栄と民衆による民主主義を目指す、全てのストリートの革命を断固支持する! 偉大なる「ウォール街革命」、万歳! 民衆による民主主義運動、万歳! 全世界の民衆の団結、万歳! 署名: 1. 马宾(中共老一辈无产阶级革命家,对鞍钢宪法有重要贡献) 2. 张宏良(北京学者) 3. 孔庆东(北京学者) 4. 张勤德(中共中央某机关退休干部) 5. 司马南(北京资深主持人) 6. 左大培(北京学者) 7. 苏铁山(北京学者) 8. 贾根良(北京学者) 9. 韩德强(北京学者) 10. 韩中(电视剧《毛岸英》中饰演毛泽东主席的演员) 11. 刘毅然(电视剧《毛岸英》导演) 12. 顾秀林(昆明学者) 13. 赵磊(成都学者) 14. 刘长明(济南学者) 15. 孙锡良(长沙学者) 16. 郭松民(北京学者) 17. 杨思远(北京学者) 18. 徐亮(北京学者) 19. 范景刚(北京左翼网站乌有之乡网站负责人www.wyzxsx.com) 20. 吴国屏(江苏无锡红色文化大讲堂负责人) 21. 戴诚(江苏常州红色合唱团负责人) 22. 葛黎英(郑州红色事业活动志愿者) 23. 任羊成(河南林州,修建红旗渠的特等劳模) 24. 袁金萍(河南安阳,林州市红旗渠精神学习会理事) 25. 赵东民(西安红色法律工作者) 26. 桑文英(西安红歌会负责人) 27. 李忠(太原红色事业活动志愿者) 28. 聂晓萍(北京老中医) 29. 吴泽刚(四川理县,藏族农民,中共党员) 30. 苏群(深圳红歌会志愿者) 31. 朱超(重庆红色事业活动志愿者) 32. 刁伟铭(上海红色事业活动志愿者) 33. 李欣(天津红色事业活动志愿者) 34. 曹文质(北京景山红歌会负责人) 35. 吴凤藻(北京首钢退休干部) 36. 薛云(北京红色企业家,点石金校校长) 37. 杨晓陆(北京反转志愿者) 38. 马婷娜(北京反转志愿者) 39. 吕霙(北京,退休科技工作者,当年红卫兵) 40. 刘英(广西桂林学者) 41. 陈红兵 (郑州当年红卫兵) 42. 石恒利(辽宁社科院退休研究员) 43. 熊 炬(男,中共党员,诗人,作家,重庆出版社退休干部) 44. 谢明康(男,中共党员,重庆市垫江县城乡建委退休干部) 45. 邬碧海(女,浙江红色事业活动志愿者) 46. 王庆人(天津学者,南开大学教授) 47. 司马平邦(中国名博沙龙常务副主席) 48. 王左军(资深媒体人士、绿色环保人士) 49. 曾有灿(工程师) 50. 陈晶(北京红色事业活动志愿者) 訳者コメント: 題名通り、10月1日に『UTOPIA』において発表された「『ウォール街を占拠せよ』を支持する中国の活動家と学者からのメッセージ」である(原題は「支持美国人民伟大的“华尔街革命”」)。恥ずかしながら中国語が読めないので、基本的に英訳を参照した。つまり重訳である。だが、次に述べるような慎重なやり方で適時中国語の原文も参照した。 まず、英訳には、意味の取りにくい箇所が多かった上に、どうも中国語原文と食い違うと思われる部分も多かった。その際に、中国語原文を見ると意味がわかることが多かった。そう、中国語は読めなくとも漢字は読めるのだ。そこで、英訳の他に、中国語原文とGoogleによる機械翻訳を参照しつつ、勝手な誤訳を盛り込まないように極力注意しながら、基本的には英訳に添う形で、最低限度に中国語原文から語句を取り入れた。 したがっていつも以上に訳文に対する保証はない。もし、中国語に堪能な方が誤訳などを指摘してくれたら嬉しいことこの上ない。また、彼らが参照していると思われる「ウォール街を占拠せよ」の文書は、どうも「ニューヨーク市の占拠の宣言」ではないようだ。この点もどなたかの助力を願いたい。 これらの人々について、訳者は解説する言葉を持たない。『China Study Group』において、英訳を投稿したjj氏によれば、おそらく元革命家で元高級経済官僚の马宾(Ma Bing)氏と、北京の大学教授でインターネットの扇動家の张宏良(Zhang Hongliang)氏が書いたものだろうと、また左派ナショナリストのマオイズムの影があると言っているようだ。 そうしたことも含めて、彼らの立場を考慮しつつ読むべき文章なのだろう。例えば、彼らは中国当局を刺激しないようにしつつ、それを批判している。また、彼らの言葉遣いが古く見えたとしても、今ここにある現実に応答しようとしている。陳腐な決まり文句は止めたい。例えば、中国に資本主義の行き詰まりと新たな可能性を見ているジジェクのように読みたい。あるいは『ショック・ドクトリン』で、現代中国を資本主義の「ショック療法」後の社会と見たナオミ・クラインのように読みたい。 とはいえ、「カイロからの連帯表明」の中にあった「全地球にまたがる一つの世代が、現在の物事の秩序においては我々に未来がないのだと、理性的かつ情熱的に自覚して育った」という言葉などを思えば、読者がどのようにこの文章を読むかいろいろ詮索するのも、私の勝手なおせっかいというものかもしれない。そして、彼らもまた何よりもそのことを言いたいのだと思う。 11/9の更新: 英訳を参照しながら訳を見直したが、幸い誤訳などは発見できず(もちろん私の気付いた範囲でだが)、それよりも訳語の選択、つまりどういう日本語をあてるのがふさわしいのかという観点から、若干の語句を修正した。 訳語で一番悩んだのは、中国語原文にある「大众民主革命」、英訳にある「popular democracy」だが、他に適切な言葉が見つからず、今回の見直しでも「民衆による民主主義革命」のままとした。なお、この言葉は、社会主義革命との対比で捉えるよりも、直接民主主義と密接に関連する言葉だと捉える方がふさわしいと考えている。 また、この機会にこの文章にある「報道管制(blackout)」について触れておきたい。それなりに「ウォール街を占拠せよ」運動に関する報道がなされている現在では、ひょっとして奇妙に響くかもしれないが、確かに一時期までは、そう読んでさしつかえないような状況があった。「占拠せよ」運動の参加者たちが盛んにそう言っていたし、またアルジャジーラ英語版にも「'Occupy Wall Street': A media blackout?」という記事があることでもそれは理解できると思う。
by BeneVerba
| 2011-11-07 14:00
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