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〈資本主義〉対〈気候変動〉
Capitalism vs. the Climate 2011年11月09日 - ナオミ・クライン 原文:http://www.thenation.com/article/164497/capitalism-vs-climate?page=full ――気候変動への対応策と資本主義 さて、要約しよう。気候変動に対応するには、私たちは自由市場のルールブックに記載されているあらゆる規則を破る必要があり、それも緊急にそうする必要がある。私たちは公共圏を再建し、私有化を逆転させ、経済の大部分を再地域化し、過剰な消費を縮小し、長期的な計画を復活させ、企業を厳しく規制して高い税率を課し(そのうちのいくつかはおそらく国有化し)、軍事費を削減し、南半球に対する私たちの債務を認識する必要がある。もちろん、企業が政治プロセスに与えている影響力を減らそうとする、大規模かつ広範な努力なしには、これらの一つにさえ全く望みはない。つまり最低でも、公的資金を受けた選挙を実施し、企業から法の下にある「人〔法人〕」としての地位を剥奪することだ。手短に言うなら、気候変動とは、実質的に本に書かれた全ての進歩的な要求を、以前から存在した事例に詰め込んだものであり、明白な科学的要請に基づいて、それらを合わせて一貫した議題に仕立て上げたものである。 さらに気候変動は、ケインズがヴェルサイユ条約からドイツの反動を予言して以来最大の、政治的な「だから言っただろ」を含んでいる。マルクスは資本主義の「生命それ自体の自然法」の「修復不可能な断絶」について書き、左派に位置する多く人々が、資本の飽くことなき欲望の解放に基づくシステムは、生命が拠って立つ自然体系を圧倒してしまうだろうと主張してきた。そして、もちろん先住民たちは、はるか以前から「母なる大地」を軽視することとの危険に対して、警告を発してきたのだ。産業資本主義が大気中に廃棄する物質が、地球を温暖化させているという事実は、潜在的な大激変の結果によって、そう、否定論者が正しかったことを示している。そして、「よし、規制を全部撤廃して、魔法が起きるのを見てみようじゃないか」と、言った人々たちは、どうしようもなく壊滅的に間違っている。 これほど恐ろしい何かについて、正しい意見を持つことは喜ばしいことではない。だが、進歩派には、その責任がある。なぜなら、これが意味することは、私たちの思想――産業国家社会主義の失敗からも、先住民の教えからも学んだもの――が、これまでになく重要だということだからだ。それはつまり、単純な改良主義を拒否し、私たちの経済の利益の中心に挑戦する、環境保護的な左翼の世界観が、それらの多重危機を克服するための、人類にとっての最善の希望を提供しているということだからだ。 しかし、しばらくの間、想像してみてほしい。これらの全てはどうして、シカゴ大学で経済学を学び、自らの個人的使命は「人々を他の人々の専政から解放すること」と述べる、ハートランドの会長バストのような男に見えるのだろう。まるで世界の終わりのようである。だが、もちろんそうではない。しかしそれは、あらゆる面から考慮して、彼の世界の終わりなのだ。気候変動は、その上に現代の保守派が乗っかっている、イデオロギー的な足場を爆破させた。前代未聞の規模で集団行動を要求する問題と、また、危機を作り出し深化させている市場の諸力を劇的に抑制することと、集団行動を中傷し完全な市場の自由を崇拝する信念体系を、調和させる術は単に存在しない。 * * * 訳者コメント: 彼女のTwitterによれば、ナオミ・クラインの次回作の一部もしくはその草稿のようなものであるらしい「〈資本主義〉対〈気候変動〉(Capitalism vs. the Climate)」と題された長文論説の全訳を分割して公開。文字数制限のためコメントは割愛。目次はこちら。続きはこちら。
by BeneVerba
| 2012-06-03 11:05
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