ぼやき:山形浩生氏は自分が共同訳した本をどう読んだのだろうか
 そう言えば、山形浩生氏は自分が共同訳した本をどう読んだのだろうか。前のエントリで新たに訳したように、「ウォール街を占拠せよ:今世界でもっとも重要なこと(Occupy Wall Street: The Most Important Thing in the World Now)」というナオミ・クラインのスピーチには、世界の運動の「飛び跳ね」に触れた部分があるのだが。『99%の反乱――ウォール街占拠運動のとらえ方』には、このスピーチが掲載されている。同書から引用する。

 この戦術を阻止できるものは、ただ一つ。幸いそれはとても大きいのです。99%。その99バーセントが、マディソン通りからマドリッド通りまで詰めかけて「ノー、きみたちの危機には金を払わない」と言おうとしています。

 このスローガンが生まれたのは、2008年のイタリアでした。それがギリシャ、フランス、アイルランドと飛び火して、ようやく危機が始まった地点にたどり着きました。


 ナオミ・クラインが「Madison to Madrid」とわざわざ語った意味が、山形氏には理解できなかったようだ。日本語での情報が極端に少ないという、私も悩まされる問題のために仕方のないことなのかもしれない。だが、私が相談したある人の言葉を借りれば、「新人いびり」は止めてほしいものである。

 引き続き山形浩生氏に謝罪と訂正を要求する。



10/26の追記:
 カテゴリとして「ぼやき」とした本エントリだが、まだぼやきは続く。この記事を投稿した時に、山形浩生氏の「ウォール街を占拠せよ/はじまりの物語」への書評ならぬ書評へトラックバックを送ったが、表示されていない。また、その後次のコメントを投稿したが、いまだ承認されていない。

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 だが、その後本日二六日の一八時には、「『社会を変えるには』評への批判を受けて」というエントリが氏のブログに投稿されている。

 念のために述べておくと、「マディソン」「マドリッド」は通りの名前でなく、「ウォーカー知事への大規模な抗議が起きたウィスコンシンの州都マディソン」「M15運動の起きたスペインの首都マドリッド」と解釈するのが妥当である。これは発端である氏の書評に関わる問題であり、関係ないエントリなので表示しなかったとは言えない。

 ソクラテス以前の哲学者ヘラクレイトスの言葉として伝わっている断片を、少し変形させて引用する。「真実を聞いた後もなお会得できない者どもには、『いるのにいない』という言葉がふさわしい」。




by BeneVerba | 2012-10-25 18:42