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以前のエントリでも書いたように、私は大月書店との仕事を始めるに当たって、自分のエスニックアイデン・ティティを知らせていました。そして、大月書店はそれに一定の理解を示していたのです。また、大月書店は日本軍政奴隷制度(「従軍慰安婦」制度)関連の本も出しており、マイノリティに理解のある版元に思えました。
なぜマイノリティとの連帯ではなく、右翼の受け入れなのでしょう。ブログやツイッターにも書きましたが、先行きに危ういものを感じます。また、自分の持つ思想から言っても、アイデンティティから言っても、自分の居場所がここにはないと感じます。 これから必要なのは、差異の尊重が同時に「自分たち」の利益であると素直に思えるようなアイデンティティを、広範に育てていくことのように思います。ベーネさんご自身がそうするかは別にして、やはり在日はじめさまざまな差異をもつ人々が、脱原発運動の中でも声をあげ、それに多数者の側が学んでいくほかはないのでしょう。その後、前回のエントリで紹介したように、私は大月書店の担当編集者から、「反原連を批判するなら契約はやらない」という趣旨の脅しを受けます。私は、大いに悩みはしたものの、契約を失う可能性を承知した上で、「反原連批判をやめよ」という脅しにきっぱり反対しました。なぜなら自らのエスニシティはそれほどかけがえないものだからです。 反原連批判を止めるつもりはありません。理由の一つとしては、アイデンティティは「中断」することができないものだからです。反原連批判を控えてくれというのは、「しばらくの間存在しないでいてくれ」というのと同じことです。勘違いなされては困るので、もう一つの理由も挙げましょう。それはこれが脱原発運動全体にとって重大な問題であるからです。その後、大月書店は私個人の資質を非難するようになっていき、最終的に「翻訳契約はやらない」と言いました。 反原発デモに日の丸が翻る間だけ、朝鮮半島にルーツがあることを忘れるのは不可能です。そして、日の丸は、反原連的な「右も左もない脱原発」運動によって持ち込まれるようになったものであり、私は実際に反原発デモで、意図せずに日の丸と歩かされるという人生でも最悪の屈辱的な体験をさせられました。自分は思想的にも民族的にも日の丸を否定しているにもかかわらずです。 大月書店のやったことは人権侵害であり、思想差別であるとともに民族差別(私の仲間の一人の言葉を借りれば、「ぶんなぐられても仕方のないようなこと」)なのです。 関連リンク:
by BeneVerba
| 2014-05-23 11:40
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