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*この文章はツイッターにて発表した文章を元に書き直したものです。


 メモ書き程度ながら、山本夜羽音という人物についてあらためて書いておきたい。

 今よりも反原発運動に熱量があった頃、「脱原発に右も左もない」という主張がなされ、それを巡る激しい議論があった。そして、私はその中で数え切れないほどの差別被害を受けた。それらは私の精神疾患を言い募ったり、私のエスニシティ(民族性)を否定したりといったものであった。

 山本夜羽音もそれら加害者たちの一人である。

 山本夜羽音は、かつて「慰安婦」否定論者の針谷大輔や針谷が呼びかけ人を務める「右から考える脱原発」を支持していた。当時彼は次のようにツイートしている(ちなみに、針谷大輔と松沢呉一がこのツイートをリツイートしている)。

山本夜羽音
 もういい加減にしろよ。右デモ批判してるヤツのレベルが低すぎて、相対的に針谷たちの株が上がってることに気づけよ。さてはおまいら、ホントは原発なんかどーでもよくて、「正しく清い自分」守りたいだけだろ。これだからクソサヨは。あと、針谷の喧嘩上手にはきっちり警戒しとけ。
https://twitter.com/johanne_DOXA/status/143747672736677888

 針谷大輔は、既に触れたが、日本軍性奴隷制度の被害者たちを否定している。日本軍性奴隷制度は民族差別と性差別を含むものでもあったのだから、針谷は歴史修正主義者であるというだけでなく、レイシストかつセクシストである。ようは「一発退場」させられるべき人物である(にもかかわらず、今なお朝日新聞が紙面に採り上げたりしているのだが)。

そもそも彼らの言う「従軍慰安婦」などというものは、歴史上に存在せず、希代の大嘘つきの吉田清治なる男の口から発せられた出鱈目に対し、朝日、毎日をはじめとする左翼マスコミ、日教組、創価学会、民団、朝鮮総連をはじめとする反国家勢力、そして、これを外交カードとして利用せんとする米国、韓国、中国、北朝鮮らが、何らの根拠も無く騒ぎ立てているだけのものである。……

我が国の礎を築かれてきた彼らが、いわゆる「従軍慰安婦」などといったものを設ける筈もなく、当然「従軍慰安婦」の存在を証明する物は、今日まで何一つ発見されていない。それもその筈であろう、上述の通りこの「従軍慰安婦」なるものは我が国を貶めんとする者達によって語られているだけの虚構だからである。
http://www.giyuugun.jp/kougibun_h190802.php

 針谷大輔についてはまた、最近こんなレイシズム丸出しの発言などがあった。が、彼がそのような人物であることは、当初からわかりきったことだった。このような人物が、「3.11以降の新しい運動」の中で持て囃されてきたのである。

針谷大輔
保釈に関して考える。カルロスゴーン被告がこんなに引っ張られたのに、なぜ俳優の新井浩文(朴)被告があんなにあっさりと保釈されたのか⁈不可解で仕方無い。日本の司法は終わってるねえ。
https://twitter.com/giyuugungityou/status/1103101687483445252

 こうした「右も左もない脱原発」を擁護する際に使われていたレトリックは、「針谷大輔の主張を支持するものではないが、かれにも居場所を与えるべき(あるいはそのような人々とも一緒にやるべき)」というものだった。次の山本夜羽音の主張など典型的であろう(他に松沢呉一なども同様の主張をしている)。

山本夜羽音
針谷大輔は仮にも、被災直後の福島に乗り込んで支援活動を展開した。それを評価するだけで、彼の姿勢や言説を逐一肯定するものではない。100%合致しなければ運動できないなら、そういう奴とはやれない、それだけ。
https://twitter.com/johanne_DOXA/status/385192973262000128

 スラヴォイ・ジジェクは『ジジェク、革命を語る』の中でこう述べている。

女性をレイプするのは間違っていると主張しなければならない状況で生きるなんて、私はごめんです。レイプがよいか悪いかを議論する必要がある社会とは、どんな社会でしょうか。レイプをきわめて不愉快な狂気の沙汰とみなすことには議論の余地はない、そう言い切れる社会が私の生きたい社会です。同じことは、人種差別、ファシズム、等々にも言えます。
https://beneverba.exblog.jp/22067138/

 「狂気の沙汰」という文言が引っかかるものの、ジジェクがここで言おうとしているのは、社会というものを成り立たせるためには、「レイプ」「人種差別」「ファシズム」などといったものは、価値観や意見のようなものではなく、予め排除されていなければならない悪であるといったことだろう。そこに「歴史修正主義」を付け加えても、牽強付会ではあるまい。

 一方でこのようにも思う。そんな小難しいことを言わなくても、単に「他でいくら良いことをしたり言ったりしていても、差別や歴史修正主義はダメ」だというだけの話である。ごく簡単なことだ。

 にもかかわらず、東日本大震災とそれに続く福島第一原発の深刻事故という危機の中で、そのような姿勢はあっさり忘れられていった。今、便宜的に「忘れられていった」と書いたが、元からそうだったのかもしれない。


 さて、山本夜羽音に戻ると、彼は自らの姿勢を批判されると私のエスニシティを否定するという暴挙に出た。あるマイノリティ集団とその構成員のエスニシティは人権である。針谷大輔への肩入れが差別への加担なら、これは直球の民族差別であろう。

山本夜羽音
君が朝鮮人かどうかはこの場合全く関連しない。君の「運動原則論」じたいが迷妄している、というだけ。
https://twitter.com/johanne_DOXA/status/385191355967758336

 何度読んでも、この「君が朝鮮人かどうかはこの場合全く関連しない」という言葉には、愕然とする。

 そして読む度に傷付けられる。これはつまるところ、自らが差別に加担していることの否認であり、責任回避であり、切断処理なのだが、なぜ他人から、自らの人間としての尊厳を、これほど軽々しく貶められなければならないのだろうか?


 ところが、彼は、その後の「反原発運動から反差別運動へ」という流れに乗っかって、関東大震災時の朝鮮人虐殺を記念したりしてみせるのである。片方で朝鮮人を差別しながら、もう片方で朝鮮人差別を嘆くのは明白なダブルスタンダードである。

山本夜羽音
おはようございます。本日と明日の反差別行動に併せ、「知らせ隊」から「関東大震災90周年」モチーフのプラカードを提供。7&11ネットプリントで予約番号「90081575」でDL。 彼岸花の花言葉「悲しい思い出」「あなたを思い続けます」
https://twitter.com/johanne_DOXA/status/381190620460503040

 想像してみてほしい。自分に対して差別発言をした者が、謝罪もないままに何食わぬ顔で、「反差別運動」に携わっているところを見た被害者の気持ちを。それは、ただでさえ差別によって傷付いている者を、さらに追い詰める行為である。

 これは「しばき隊」の野間易通や「出版関係者の会」の岩下結にも言えることだが、彼らはこうした差別者としての経歴ロンダリングを、「木を隠すなら森に」方式として、意識的にやっているのだと思う。

 

 さらに、山本夜羽音は差別を告発した私を逆恨みして、他にも差別発言を繰り返すなどしているようである。また、彼についてはセクハラのために「知らせ隊」から、除名されたという出来事があり、それもこの話題に関わることかと思われるが、さしあたり稿を終えたい。

山本夜羽音
芦原某なるクソ野郎が「おおよそ在日の血縁」であることをいきなり持ちだして「お前は俺を差別してる」とゴネるのは無視するしか無いじゃろうに (´・ω・`)。それに乗っかる君らもいい加減にしなよ。
https://twitter.com/johanne_DOXA/status/493151990906503168
「朝鮮人虐殺はなかった」はなぜデタラメか
【報告】「レイシズムへの抗議行動・知らせ隊」からのお知らせです。これまで対外的な発表任務を担っていた山本夜羽音氏が、メンバーから外れることになりました。山本氏が一人のメンバーに対しセクシャルハラスメント行為(身体に抱きつきキスを迫るなど)を犯したことがその理由です。
https://twitter.com/01sep1923/status/662577120854470656


by BeneVerba | 2019-04-14 01:01 | 意見 | Trackback | Comments(0)

*この文章はツイッターに投稿したものを多少書き直したものです。

 「昭和」という元号には、暗いイメージがつきまとう。その背景としては、その時代に戦争があり、それは日本が主体的に遂行した侵略戦争だったにもかかわらず、その加害責任が充分に果たされてないことがあったはずだ。

 だが、今回の「新元号」発表を巡る空騒ぎを見るにつけ、「昭和」が「平成」を経て「令和」となることによって、その「暗いイメージ」は日本の加害責任とともに完全に払拭されてしまうのだろうと思わざるを得ない。

 これが「元号」という制度の持つ効果の一つ、すなわち時代を恣意的に区切り、忘れてはならないことを忘れさせ、記憶を改編させる効果、なのだと思う。

 ところで、佐々木俊尚が「リセット感」という言葉を用いて、以下のようなツイートを投稿していた。あまりにも軽佻浮薄ながら、今回の騒動に浮かれている人びとの心情を露骨に表現したものと見るべきであろう。

 私は、まさにこうした「リセット思考」を批判してきたのだが、それだけに佐々木俊尚の文章は、その存在を逆側から実証するものであるように感じた。

 昨日までは改元と言われても実感なく、元号なんてもう要らないんでは…と思ってた。なのに令和という新元号を聞いた瞬間のリセット感が半端ない。「これから新しい時代が始まるんだ!」という。昔からこうやって改元して時代の空気を革めてきたのですねえ。
https://twitter.com/sasakitoshinao/status/1112548547671388166

 私は昨年に行われた「HINOMARUに抗議するライブ会場前アクション」に、「『まっすぐさ』が恐ろしい」という文章を寄せた。そこでは主に「戦前」から「戦後」へのリセット思考を批判していたのだが、「昭和」から「平成」へという「元号」によるリセット思考をも視野に入れるべきだったかもしれない。

 「新元号」発表の号外を求めて殺到する人たちにしろ、「HINOMARU」という楽曲を発表したRADWIMPSにしろ、「令和」ツアーと新曲「元号」を予定しているというGLAYにしろ(なお、GLAYは一九九九年に「天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典」に参加している)、極めて「自然体」で振る舞っているのだと思う。だが、そこで自明視されている「自然」の背後には、権力による作為があるのではないだろうか。

 うまく言葉にできたかどうかわからないが、私はその「『まっすぐさ』が恐ろしい」という文章で、そうした権力による作為が「自然」なものとして受け止められるメカニズムを指摘しようとしたように思う。以下に、一部を引用する。

 その基礎としては、戦前から戦後になって、日本は平和国家になったという思考があると思います。私はそれをリセット思考と呼んでいます。確かに、憲法をはじめとして変わったものもありますが、戦前から戦後へと引き継がれたものも多いのです。天皇制、日の丸、君が代などがその代表です。

 終戦後しばらくは、天皇制についても、日の丸や君が代についても議論があり、裕仁は退位すべきだとか、日の丸に変わる新たな国旗を制定しようという意見がありました。

 それに、一九九九年まで、日の丸は正式な日本の国旗ではありませんでした。その年、他の悪法とともに、国旗国歌法が制定されたのです。その年に生まれた人は来年二〇一九年に二〇歳になります。一九九九年に一〇歳の人なら三〇歳です。

 いわば、それが権力のやり口なのです。取るべき責任を取らず、既成事実化し、やがて人々が、自然なものとして受け取るのを待っているのです。天皇制・日の丸・君が代といった大日本帝国を支えた装置は、戦後もそのまま生き延びました。そして生き延びることによって、既成事実となってしまいました。

 それは、世代を超えて洗脳しているようなものです。国家は世代が変わることを歓迎しています。ある世代ではまだしも問題とされていたものが、次の世代や次の次の世代では、自明視されて問題視されなくなっていくというわけです。

 つまるところ、私たちは実際には、戦争責任の追求が徹底していない社会に住んでいるのに、それに慣らされてしまっているのです。

 また、辺見庸の『1★9★3★7』には、『もの食う人びと』が「紀行文学大賞」を受賞したときの受賞パーティーで、阿川弘之が辺見庸に食ってかかり、元「慰安婦」の方々について、「きみね、死にたいものには死んでもらえばいいんですよ……」という非道この上ない発言をした経緯が書かれている。

 眼前の作家はゆがんだ笑みのまま、くぐもった声で「恥ずかしい……」をくりかえした。死にたがっていた老婦人たちに、わたしが「死なないでください」とくりかえし訴えたというのが「恥ずかしい」と、しつこく言うのだ。それをわたしに告げずにはいられなかったらしい。

 かれは最後にゆっくりとこう言い足した。この部分は忘れようにも忘れられないのでクォーテーションマークでくるめる。「きみね、死にたいものには死んでもらえばいいんですよ……」「えっ?」。わたしの声が反射した。が、そのとき、阿川弘之はもうわたしに背をむけていた。

 それは、「被害当事者が死んでしまえば、加害者側の責任もなくなる」という、実に日本的な発想を、露骨に表現したものだった。そのことも想起すべきではないだろうか。

 などと書いているうちに、韓国国内の日本軍性奴隷制度被害者の一人(名前は非公表)が亡くなり、同国内の元「慰安婦」被害者のうち、存命中の方々は二一名になったというニュースが飛び込んできた。愕然とするしかない。



by BeneVerba | 2019-04-03 08:21 | 意見 | Trackback | Comments(1)